Column

♥【コラム第1弾】清田代表の語る〈異性神格化〉

「人間」を「女子」に置き換えたら...

神格化とは、文字通り「神のように扱うこと」を意味する言葉です。これを裏返すと「人間扱いしない」という意味になります。のっけから「女子を神格化するな!!」なんて言われても意味がわからないだろうし、「いやいや、普通に人間扱いしてっから(笑)」なんて鼻で笑われてしまいそうです。

突然ですが、「人間」とは何でしょうか?……中二病のような問いかけで恐縮です。例えば、人間はうんこをします。放っておけば臭くもなるし、いろんなところに毛も生えます。頭の中ではゲスいことやズルいことを考えています。体調も機嫌も毎日くるくる変化するし、都合のいいように記憶をねじ曲げるし、時には嘘もつくし、性欲だってわきます。

何だか品のないことばかり書いてしまいましたが、人間とは、こういった側面を持ち合わせた存在である。それは間違いないことだと思います。

では、この「人間」を「女子」に置き換えたらどうなるでしょうか。女子はうんこしますか? 女子も放っておけば臭くなりますか?

女子にも性欲はありますか?……もちろん答えはイエスです。なぜなら、人間だから。 しかし、われわれ男子はこういった当たり前の事実に目を背けがちです。女子はうんこしないし、臭くならないし、性欲もない。と、どこかで思い込んでいる節があります。すなわち、これが「神格化」です。どうでしょう。身に覚えはありませんか?

願望を都合のいい方向へ導いてくれる考え方

最初に白状しておきます。かく言う私にも、思い当たる節はめっちゃあります。私は中高6年間を男子校という監獄で過ごしました。思春期に女子とまったく触れ合わないという生活を送っていると、かなり偏った女性観が形成されていきます。なかば本気で、女子はうんこしないと思い込んでいました。

もう少しだけ下品な話をさせてください。高校生の頃、私は「うんこ転送システム」という説をわりと真剣に唱えていました。時折、変なタイミングで腹痛が訪れることってありませんか?

体調が悪いわけでもないし、何か変なものを食べたわけでもない。なのに、日々のサイクルから見てもかなり不可解なタイミングで腹痛が訪れ、トイレに駆け込む……。そういうことが、生きているとときどき起こるのです。

私はこの現象を、「そっか!カワイイ女の子の便が転送されてくるんだ!」という風に解釈しました。女の子はうんこをしないので、代わりに俺らのような下民男子のところへ転送されてくるんだと、そう理解したわけです。

今考えると結構な危険思想ですが、それは元から持っていた「女子はうんこしないと思いたい」という願望を都合のいい方向へ導いてくれるアイデアであったため、あり得ないことだとわかっていても、わりと強固に信じていた節があります。

すいません、うんこの話を引っ張りすぎました。何が言いたいのかというと、このように「女子の見たくないところを見ない」、あるいは「女子を自分の見たいようにしか見ない」という性質が、われわれ男子の中に根深く存在しているような気がしてならない、ということです。

特に恋人や好きな女子や対しては、それが顕著に表れるように思います。彼女は臭くならないし、性欲もない。そう思っている男の人は、正直少なくないと思います。

これは決して笑い話ではありません。もちろん、ハッキリとそう公言する人はいないでしょう。そんなこと言ったら、バカのマザコン野郎と一蹴されて終わりですからね。しかし、口に出さずとも心のどこかでそう思っているという人は絶対に多いはず。そして、そういう無意識の意識が、女性を実際に苦しめているという実例もかなり多いのです。

お姫様扱いしてくる彼氏が息苦しい

例えば知人女性のマイさんは、常に自分のことをお姫様扱いしてくれる彼氏に苦しんだという経験を語ってくれました。

いつも「かわいいね」と褒めてくれるわ、デートに花束を持ってきてくれることもあるわと、とにかくオールウェイズ・お姫様扱い。もちろん、それはそれで悪いものではなかったそうですが、問題なのは、それが彼女に少なからぬプレッシャーを与えていたという点です。

彼は常に肯定的な言葉を投げかけてくれるものの、それは外見や女らしい仕草に関してのみ。マイさんの内面を問うような質問はしてこないし、仕事や人間関係の悩みを打ち明けても、「大丈夫、俺が守ってあげるから」というようなことを繰り返すばかり。マイさん的には、ちゃんとコミュニケーションが取れている実感が得られなかったとか。

マイさんは次第に「彼が求める彼女像」というイメージにとらわれてしまうようになり、徐々に息苦しさを覚え、最終的には彼女のいいところも悪いところも受けとめてくれる別の男性に心変わりし、彼とお別れしたそうです。

このように、「神格化=女子の限られた一面しか見ようとしないという態度」は、女子にのみならず、われわれ男子にとってもネガティブな影響をもたらしてしまうものだと思います。

女子の多用な側面を見るのは怖いし、「そういう女の人がいるのは当然知ってるけど、俺の彼女は違うから」という風に別物として考えたくなる気持ちもあるでしょう。でも、そんな態度では人間同士のコミュニケーションはできません。コミュニケーションが取れないと、いい恋愛関係は築けません。それゆえ、女子の神格化はダメ、ゼッタイなのです。

常にお姫様扱いしていたのに振られてしまった先ほどの彼(=桃山商事の佐藤広報。実話です)みたいになりたくなかったら、自分の中に女子を神格化している節がないか、ぜひ自問自答するところから始めてみてください!

著者プロフィール

清田隆之/桃山商事
1980年、東京生まれ。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆など、何でも手がける恋愛の総合商社「桃山商事」代表。男女のすれ違いを考える恋バナポッドキャスト『二軍ラジオ』も更新中。「日経ウーマンオンライン」や「messy」でコラムを連載中。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。

Twitter @momoyama_radio

引用元
「桃山商事清田代表の語る異性の神格化」

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♥米沢りか

女性の漫画家。少女漫画やエッセイ漫画を執筆。数多くの著作の中で、30代の恋愛観に着目した恋愛指南本『カツ婚!恋に喝!篇』と『カツ婚!愛で勝つ!篇』の2作が近年注目されており、『愛で勝つ!篇』の「第13話 男と女が楽しく会話するコツ」の一場面はTwitterで話題の画像として取り上げられ、多くの女性から共感の声が寄せられるなど、話題となっている。

♥清田隆之

二軍男子で構成された恋バナ収集ユニット「桃山商事」の代表。桃山商事公式サイトでは、『失恋ホスト』や『二軍ラジオ』といったサービスを提供、その他、恋愛コラムの執筆などにより、恋愛に悩める人々をサポートする活動をしている。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)がある。

♥潮凪洋介

「恋愛」「自由人生」をテーマに、数多くの著書を執筆、またイベント、ラジオ、テレビ出演等、幅広い活動による恋愛文化の活性に努める。「男と女のリアル」をもとに書かれた著書『男が大切にしたいと思う女性50のルール』は07年アマゾン文庫部門・上半期総合ランキング6位になるなどベストセラーに。その他、「エッセイスト養成塾 潮凪道場」、「潮凪洋介の自由人生塾」を主宰、夢や自由人生を支えるための活動をしている。