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「富士山環境再生実践講座」 ■ 通年 土曜3−4限

「神の山」として古来より信仰の対象とされ、日本人と密接な関係を持つ富士山。その富士山は現在山麓の開発や過剰利用、登山者による環境汚染など様々な問題を抱えている。「世界遺産に登録できないほど傷ついたこの山をいかにして再生するか」をテーマに置き、富士山学の第一人者による講義、富士登山などのフィールドワークを通して、富士山環境再生の戦略を考える。










渡辺豊博(わたなべとよひろ)
静岡県企画部企画総室技監、(財)静岡総合研究機構研究室長
1950年生まれ
東京農工大学農学部農業生産工学科を卒業し、73年静岡県庁に入庁。農業基盤整備事業の計画実施に携わり、88年、地域総参加による源兵衛川親水公園事業の企画を担当する。その後も三島ホタルの会、NPO法人グラウンドワーク三島、NPO法人富士山クラブ、NPO法人富士山エコネットなどの事務局長を歴任する。合言葉は「右手にスコップ・左手に缶ビール」である。





座学とフィールドワークを通して富士山の環境について考える、「富士山環境再生実践講座」。そのコーディネーターを務めるのが、今回お話を伺う渡辺豊博先生である。普段は静岡で多忙な日々を送る渡辺先生だが、この日は富士山に関しての国際シンポジウムのために上京中。同じく「富士山」を重要なテーマに持つこの授業について、専門家としての視点からお話をしていただいた。今の時代に改めて富士山に目を向ける意味、そしてそこから見えてくるものとは――。


――先生自身は、これまでにどのような活動をされてきたのですか?

私自身としては、これまでに富士山のゴミ・し尿問題とか森づくり、さらには富士山を世界自然遺産や文化遺産に登録するための運動に関わってきており、富士山を活動現場とした個人的な活動は、すでに20年近くにもなります。そういった、現場での体験を通して、思ったことがあります。


――どんなことでしょう?

確かに富士山でのゴミ拾い活動などは、その場に参加してくださった方々にはある程度の感動や達成感・充実感を感じていただけますし、現場も綺麗になりますので、一定の効果はあげていると言えます。しかし、それだけでは“イベント的”であり、一過性の活動になってしまうのではないかという危惧や疑問を持ったんです。そこで、富士山についての様々な問題を、体系的・学問的に勉強してもらった上で、富士山の環境運動や、広く地域の環境運動に取組む若手の人材を育成したいな、と思ったわけです。


――それがこの授業ができたきっかけになるわけですね。

そうですね。「富士山」の光と影の交錯と抜本的な解決への道筋の迷走、また、この講座の趣旨に賛同していただいた企業の支援が、この講座開講のきっかけです。富士山に特化した、これだけ充実した講義は、他にはないと思います。


――では、具体的に授業ではどういったことを学ぶのですか?

基礎講座と実習、そして問題解決のためのゼミです。基礎講座としては、富士山の文化と歴史、自然科学(動物・地質・植物)、世界遺産、海外での事例等について学びます。講師陣は、日本の中で富士山学の中では第一人者の人たちばかりです。まずこれ以上の講師はいないでしょうね。 実習では富士山登山やエコツア−の体験、ゼミでは富士山の環境改善・再生プランをテ−マに実践的な議論をかさねます。また、アメリカの国立公園でのレインジャ−研修も検討中です。専門的な知識ばかりを学んでも余り意味がないので、授業の名称通り実践学にこだわって、学んだ知識を現場に行って確認・検証しているんです。