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「ユネスコの寺子屋事業と世界遺産」 ■ 夏期 土曜5限

世界には読み書きの出来ない人が約8億人存在する。このような現実に対し、日本ユネスコ協会連盟はアジアの貧困地区で寺子屋事業を展開している。 この授業では、途上国で実施されている寺子屋事業の現場を訪問する。また、村人や児童との交流や世界遺産の訪問を通して、ユネスコの活動を学習することが出来る。さらにユネスコ事務所やJICA事務所を訪問し、教育問題、ユネスコの諸事業、日本の協力の実態などについても学ぶ。










野口昇(のぐちのぼる)
1939年3月31日生まれ。 岐阜県出身。 東京大学卒業後、文部省(現文部科学省)に入省。ユネスコを中心とした国際文化協力に従事。ユネスコ本部教育局、国連大学での勤務を経験。1992〜97年、ユネスコ本部フェローシップ・機材調達部長を歴任。1997年、ユネスコ北京事務所所長就任。広く東アジア諸国・地域を担当する。2001年、文京女子大学(現文京学院大)副学長外国語学部教授、国際交流センター所長就任。現在、(社)日本ユネスコ協会連盟理事長、ユネスコ本部アドバイザー(顧問)、日本私立大学協会国際交流委員会委員なども務める。主な著書に『ユネスコ五十年の歩みと展望』など多数。




今、あなたはこの文章を読むことが出来ているだろうか。そんな当たり前の質問。おそらく、ほとんどの人はためらいもなく「はい」と答えるであろう。しかし世界では五人に一人がそう答えることが出来ない。読み書きが出来ない子どもや大人が多く見受けられるのは、アジアの国々である。そんな状況の中、全ての子どもが学校に行けることを目的とする寺子屋事業が起ちあがっている。今回、寺子屋事業が展開されているインドを訪問する「国際ボランティア理論と実践」のコーディネーターを勤める野口昇先生にお話を伺った。


――インドでは、どこを訪問なさったのですか?

まずは、日本ユネスコ協会が支援している寺子屋事業を見学しました。この寺子屋事業というものを説明しますと、インドには読み書きが出来ない子どもや大人が多く存在しています。その原因は、貧困である場合がほとんどです。貧困のために労働力として利用され、教育を受けることの出来ない子どもがまだたくさんいます。その現状を打破するためにも、日本の寺子屋のように、読み書きだけでなく生活に困らないよう、実際に役立つ技術を教えている活動のことをいいます。その他に、世界遺産も見に行ったりしますね。


――では、そこでどのようなことをなさったのですか? 講義名にも「理論と実践」とありますが……。

見学の他にも、子どもたちと接したり、近隣の大学の学生と交流をしたりもしています。しかし、「理論」らしきことはできていないような気がしますね(笑)。本来、学生に貴重な経験をしてもらえれば、という思いでこの講義をやっていますから。理論などは本を勉強すればわかりますけど、実際にインドの厳しい現場に行って、貧しい中で一生懸命生きている様子を見てもらうことが大切なんです。ただし、これは本当に厳しい旅行ですよ。過酷なスケジュールが組まれている上に、食べるものの選択の余地がないので、ほとんどの人がおなかを壊したり高熱を出したりしています。なので、帰国するまでは気が抜けません。