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早稲田大学法学部に留学したの郭健さん(中国出身)のコラムです。文章はそのまま掲載されています。

郭健さんより

三年前、私は普通の高校生と同じく受験勉強に一筋の高校生活を終え、大学に行っていました。なぜ留学を考えたのかというと、一言でいえば高校で想像した多彩な大学生活は実際と違っていたからです。寝るのも学校の中、食べるのも学校の中、買い物も学校を出なくて済むような毎日「三点式」(宿舎―教室―食堂)の生活は退屈だと私は入学してから半年も立たず間に飽きてしまいました。学校と社会を隔てる大学の壁から出て、なんかをやってみたいと思って、留学を選びました。
 ただつまらないと思うだけで、明確な目的がないまま、一人で遥々に日本にやってきた自分を振りかえて見る度、驚いていました。こんな私が留学体験を語るなんて誠に恐縮ですが、今回この体験文を書く事をきっかけに、二年間の留学生活を顧みてみたら「日本に留学して本当に良かった」とつくづく思いました。実際は大した事がなかったのですが、自分の中ではもう収穫の多い充実した二年間だと言えるでしょう。この二年間に知識や語学以外に得たもの、感じた事を文にして、留学を考えている皆さんに少しでも参考になれたらと願って、そしてさらに何年後に留学先から日本に帰ってきた皆さんと共鳴できる事を期待したいと思います。

 
 


 

若い頃の苦労は一生の財産

 これは年をとった長者が若者を訓戒する時によく使う言葉で、以前私も耳に胼胝ができるほど聞いていましたが、やっぱりそういう人生体験がなかったか為、深く考えた事はありませんでした。発展途上国から来た私はこんなに物価の高い日本で生活するのには、やはり仕送りを頼ってはいけないと思って、他の中国から来た留学生と同じように自分でバイトして授業料を払い、生活して行こうと決意していました。日本の地に踏み入れる時から、かたことの日本語でアパート、そしてバイトを探していました。日本語ができないから、あるいは外国人であるから、店の人に断られたことは日常茶飯事のようにありました。そしてバイトが見つかって、月140時間以上働きながら、学校もサボってはいけなかったから、6時間ぐらい寝られる日はもうすごい贅沢で幸せだったと覚えています・・・とにかく日本でのすべてを自分の手で頑張って作り上げていかなければなりませんでした。

 このような発展途上国の留学生が日本で経験した苦労は日本人の皆さんがどこの国に留学しても経験するはことないでしょう。でも、外国ですべてを自分で作り上げなければならないのは共通しています。そして、すべての物事は自分の国のように順調にいくわけはないし、挫折は少なくないでしょうし、それを全部自分で乗り越えなければならないからこそ、あなたは成長します。

 今の私は大学も入ったし、バイトもそんなにしなくてもいいし、日本人の友達も沢山できましたから、環境は大いに改善されたといえるでしょうが、二年前の苦労の経験はまだ生かされています。他の留学生と来日初めの二年間の苦労について話し合ったら「そんなに厳しい二年間をも乗り越えられた私は、打ち勝てない困難はないだろう」とみんな自信満々のようです。やはり若い頃の苦労はあれから人生や仕事で出てくるあらゆる困難を乗り切る自信につながるのではないかと私は思います。そして、若い頃の苦労は一生の財産だとだんだん分かってきたような気がします。しかし、私にとって日本に留学しなければおそらくこのような「一生の財産」を得ることはできないでしょうかと思います。

  1、その国、その社会の奥まで覗く事ができる。
  2、その国の一番素晴らしい物を見つけよう、そして自分の物にしょう。
  3、留学する事で自分の人生の選択肢が増える。
    留学は自分の国の価値観で見てきた「自分」を見つめなおすチャンスです。
  4、その国を通して、自分の国の素顔が見える。

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留学生から見た日本――日本の明日はどうなる?

  最近、学校の友達や周りの日本人と中国や日本に関する話をする度に、皆が「上海の発展ぶりはすごいね、これからは中国だね、日本はやっぱりだめだね」と聞かされました。

 なぜ日本がだめだというと、国民の六十なん%もの反対を踏み切って、アメリカのイラク攻撃に支持表明!

 平均株価が8千円台割れ、史上最安値を絶え間なく更新されていく!
失業率は史上最悪と並んで、5.5パーセント。倒産会社数も過去最高を記録!デフレが深刻化する一方!小泉の構造改革の成果は未だに見えません!
北朝鮮のミサイルは日本に向いていつ飛んでくるのがわからない。・ ・・等々、国の暗いニュースばかりです。

 そして個人や家庭においても賃下げ、ボーナスゼロ、希望退職などのニュースが飛び交っています。日本は本当にだめになるのでしょうか?一部の自信喪失の日本人の方はそう見ているかもしれないですが、私は留学生の一人として、そうだとは思いません。 

 日本には、「いいもの」がたくさんあります。だから、我々は遥々遠い国から留学にやってきたのです。そういう「いいもの」は世界のだれにも負けないと思います。しかし、日本或いは日本人は今、それを見失いつつあります!

 20世紀の世界各国の悲惨な戦争体験で、21世紀こそ平和の世紀にしょうと人類が考えていました。しかし、ご存知のように、アメリカは国連の決議案なしに、イラク攻撃を踏み切りました。こんな世界中に反対されている戦争、世界中に反対させているアメリカに、日本が支持の声明を出しました。

 もともと、日本っていえば平和憲法の精神のもとで、「平和主義の理念」を掲げる外交をやっている国だと思っていました。そして世界に尊敬され、「平和の楽園」として世界の人々に憧れられている。授業で、先生が誇らしく憲法9条を解説してくれた姿は未だに忘れないのです。それは日本、日本人の誇りにちがいないと私は羨ましく思っていました。

 でも、今、15:43分、イラク時間の朝の7、8時ぐらいですね。そこに、イラクの何の罪もない民間人が昨日の空爆で殺された親や兄弟や子供の死体を方付けなければならないでいるでしょう。そして、私たちがこの講演会をやっている今にも、イラク人が殺されているかもしれないのです。
 それを考えれば、私は「日本のいつも言っている平和、憲法9条は一体なんなんだろう」と言いたくて、抑えても抑えきれないのです。

 日本、世界に胸をはって誇りうるものを見失い、そして捨ててしまいました。と私は思うのです。そして、ある現役大学生の実態調査で、大学を卒業したら直ちに就職したいと考えている大学生は5割にも足らなかったことが分かりました。そして、今の大学は勉強の所じゃないと思われてしまうほど、今の大学生は勉強していない。日本の大学生まで「ゆとり教育」になるのかなと私は心配でした。

 そして、近年ホストクラブのブームが裕福な日本で起きていますね。ホストクラブ林立の新宿でもその出店の勢いに衰えは感じられないのです。新宿東口にホストの写真が大きく掲げられ、まるでヒーローを讃えるような風景を初めて来日する外国人が見たら、びっくりしない人はいないでしょう。そのホストクラブの若者たちから、日本中に人間は汗まみれに働かなくても、華やかに生きていけるというメッセージを発信しているのではないかと私は思います。でも本当はそうなのでしょうか?そしてだんだん、だんだんそのメッセージは一種の文化になるのです、以前の「巨乳崇拝文化」と同じように。そして、このような文化が広がって行けばいくほど日本は沈んでいくのではないかと私は思います。

 日本のいわゆる「いいもの」は何でしょうかと私は考えながら、ある日たまたまある終電電車を題材とする特集番組をみました。

 そこで、記者が終電の満員電車でケーキを食べている50代のおじいさんにインタビューをしました。聞いてみたところ、残業が終わったばかりで、腹が減ってたまらなくて、つい電車で食べてしまうおじさんだったのようです。その時、私はなんかこころが打たれて、胸が熱くなってしまいました。そうですね、

 今の日本にはこう必死になって働く若者まだどのくらいいるでしょうねと私は思っていました。「経済帝国」を築き上げた40代、50代の日本人の勤勉というものが今の日本で忘れられてしまったじゃないか、と思いました。
その続きに、あるボランティア団体を紹介したいと思います。渋谷区富ヶ谷のある小さなビルの四階には、「留学生相談室」というボランティアグループがあります。そこで、ある70歳を超えた一人のおばあちゃんが代表を務めています。54歳からです。もう17年経ちました。もちろん雨の日も、雪の日も、欠かさずに電車でその相談室に行って、留学生・就学生から勉強、進学、就職、ビザ、トラブルなどの相談を受けてきました。今までにそこにまた50人以上の日本人の方がボランティアでやってきました。自宅から2時間以上かけて通勤する方もいるそうです。その相談室にお世話になった何万人の留学生は国に帰っても、彼等を忘れることはないでしょう。そして彼等のことを国の人々に伝えるでしょう。

 でも、そのボランティアの方たちのやっていることの意味はそれだけではありません。一人一人の普通の市民がボランティアで、自分の身をもって、国際交流に貢献している、自分の行動で、隣国や世界への友好の意を示している。

 彼等は外交官ではありません。でも、日本の誇れる真の「外交」をやっているではないかというような気がします。

 それに、今日の講演会を主催してくださる「アジアの留学生・就学生と交流する会」も同じ例であります。決してお世辞ではないが、私たちは本当にこころから感謝しています。そして、彼等のように、熱い夏に汗まみれになっても毎年毎年変わらずバザーをして留学生を支援している団体はまだたくさんあると思います。彼らに、日本の外交官たちが何かを学べたら、いいなと思います。

 そして、こつこつ働いている日本の「おとうさん」に、若者が何かを学べたら、いいのではないかと思います。勤勉さ、そして世界のだれでも真似できない日本人職人の技、とハイテクなどなど、日本はまだ世界一の素晴らしいものをたくさんもっています。日本の若者がそれを引き継いだら、日本はまだまだ成長していくのです。

 皆さん、テツ&トモの「なんてだろう?」はご存知でしょうか?大ブレイクしたコンビですね。しかし、今の日本の現状に対して、「なんてだろう?」を聞くだけではどうしょうもないのです。そのかわりに、去年のヒット曲「明日があるさ」を思い出してください。日本には明日があると信じて頑張ってほしいのです。

 あと一週間、美しいサクラが咲きます。同様に、近い将来に日本も立ち直るだろうと私は確信しつつ、自分なりの貢献というか恩返しというか、微力ながらお役にたちたいと思います。

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