早稲田祭2004運営スタッフ代表
安方綾
 


大学生活の象徴とも言える学園祭。早稲田祭2004の開催が迫ってきた。日本屈指の規模を誇る早稲田祭では毎年多くの早大生が工夫を凝らして発表を行う。 その早稲田祭を支えているのが、250人にも及ぶ運営スタッフだ。今回は代表を務める第一文学部三年、安方綾(やすかた・あや)さんにお話を伺った。

一年生のときからスタッフとして活動している安方さん。高校生のときに早稲田に学園祭がないのを知って残念に思ったという。早稲田祭が生まれ変わった年、 スタッフ募集の立て看板を見つけ即応募した。もともとの祭好きで高校生のときも文化祭の実行委員を務めていた。早稲田祭のエンディングで皆が校歌を歌って いるのを見たときは鳥肌が立ったと瞳を輝かして話してくれた。そのときの感動があるからこそ、代表というハードな仕事をこなせているのだと語る。


――代表に立候補されたきっかけは?

「純粋に早稲田祭が好きだからです。やっているときは正直辛いことばかりですが……。一番難しいのはやはり、人間関係だと思います。これだけ人がいれば 色々な考え方をする人がいるし、価値観の違いが出てきます。実務よりも、どのようにして触れ合う機会の少ない一年生と関わっていくかなどを考えていく方が 苦しいです。でも色んな人がいるから自分も成長できるのであって、それは運営スタッフのいいところだと考えます」。


――早稲田大学には早稲田祭のない時期がありました。また大々的な学園祭を実施しない大学もあると思います。その中でキャンパスにおいて“祭”を行なう意義を どのように考えますか?

「早稲田にはたくさんの人がいるけれど、普段の大学生活で学生が一堂に会せるチャンスはなかなかありません。その中で自分が早大生だなぁと実感できる場が 早稲田祭だと思います。現在の早稲田祭が全早稲田生を巻き込めているかというとそうではない部分もたくさんあります。けれどもやはり、私たち運営スタッフ の願いは一人でも多くの早大生が参加してくれることにあります。地域の方、OB、受験生も集まりひとつのものをつくるということが早稲田祭の一番の意義だ と思います。早稲田という場所でないと意味がないのです」。


――これだけ大きなイベントですと、多大なプレッシャーがのしかかってきませんか?

「それはもちろんですが、いい意味で毎日緊張しています。時々重たく感じることもあるけれども、それは今しか感じられないものとして楽しんでいます」。


――今年の早稲田祭の見所をお聞かせください。

「個人的に早稲田祭ってなんだろうとずっと考えていました。私は専修で美術史を勉強しており、もともと芸術というものを見るのが好きなのですが、芸術とい うのは見る人がいてはじめて成立します。見る側が作った側のメッセージを感じて始めて芸術作品としてのエネルギーを発するのです。それを早稲田祭に置き換 えて考えてみました。2004年の早大生たちが社会に何かを発信していく場である学園祭において、自らの思い、エネルギーを表現して来場者に感じてもらっ て初めて早稲田祭が活き活きしてくるのです。そのようなところが芸術と似ています。 ですから、早稲田祭を一言で例えるなら、“芸術”ですね。形には残らな い二日間限りのものかもしれないけど、来てくれた人が肌で製作者の思いを感じて初めて早稲田祭がいいものになる。芸術は、世代、人種、言葉の壁を越えて 人々に通じるものを持っています。ただ露店でものを食べて終わりにはしたくありません。参加している人が何を訴えたいのかを少しでも多くの人に感じてもら いたいです」。


――それを具現化するためには何が必要でしょうか?

「運営スタッフとして取り組めることには限りがあると思うけれども、少しでも来場者がよい環境で参加団体の発表を見るための環境作り。安全面、ゴミの分別 に力を入れているのは来場者あっての早稲田祭だと思うからです。また逆に参加団体あっての早稲田祭であるからハード面の提供というのはただ教室を貸すだけ ではなく、例えば備品を借りるための業者を紹介するのも参加団体がいい環境で発表できるようにと思ってのことです。ゴミの分別に関して厳しく言うのも参加 団体に作る側であることを自覚してほしいからです」。


――タバコ、お酒の禁止、ゴミの分別といったことのほかに、参加団体に対してスタッフと共有してもらいたいことはありますか?

「学生が自主的に行う早稲田祭であるから、日数が少ないことや、制限があることを理解してほしいです。一緒に早稲田祭を作っているという気持ちを持ってい てほしいです。全体としてスタッフと参加団体の距離がまだあるけれど、お互い協力してつくっているという意識を持っていればもっといい早稲田祭になるので はないかと思います。早稲田祭が一年の中で一番のイベントであるサークルもいれば、そうでない団体もあり、様々です。そのように違った意識の中にありなが らも、一人ひとりが主体的に早稲田祭に取り組んでもらいたいです」。


――最後に早稲田祭への意気込みをお願いします。

「今年は早稲田祭が生まれ変わって三年目の年です。今回は色々なものが問われるときだと考えています。早稲田祭がなかった時期を知る人が抜けてしまうこと で、緊張感を失いがちです。早稲田祭はあって当たり前ではないのだという危機感を持って取り組んでいきたいと思っています。早稲田祭で皆がお互いを高めあい、刺激しあえるように、また早大生としての意識が高められるように全力を尽くします!」


――ありがとうございました。早稲田祭のために練り上げられたそれぞれの企画、楽しみにしています。

11月6、7日に行われる早稲田祭。今年は14万人の来場者を見込んでいる。例年に増して見ごたえのある企画が目白押しだ。是非足を運んでいただきたい。



早稲田祭2004公式HP:http://www.wasedasai.net/2004/index.html


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【取材】吉岡加奈【編集】吉見憲二