早稲田大学演劇研究会
劇団「チャリT企画」
 


 早稲田に数ある劇団の中で、圧倒的な歴史とクオリティを誇る早稲田大学演劇研究会。
当会から独立してプロとなり、現在演劇界をリードしている劇団は数知れない。

 2004年12月。またひとつの劇団が早稲田を巣立っていく。
「バンカラポップ」というスタイルを掲げ、現代社会を皮肉たっぷりに面白可笑しく茶化しつつも、その根底にある真実を世に投げかける、劇団「チャリT企画」。
主宰のchari-Tさんに早稲田からの独立、そしていよいよ迫った最終公演への意気込みなどを伺った。


――そもそも早稲田から「独立する」とはどういうことですか?

「もともと劇研(演劇研究会)のアンサンブル(劇研内に存在する各劇団)は、主宰者メンバーと呼ばれる、 1年間以上劇研員として活動している人間が3人以上いないと成立しないんです。そのメンバーが劇研に退会届を出す事によって、 早稲田大学演劇研究会から籍を外し、即ち劇団が早稲田学内から出ることになります。 つまり今までは早稲田学内の一学生演劇集団だったわけですが、これからは一プロ劇団になるわけです」


――独立してプロの劇団になると、具体的に今までとは何が変わるのですか?

「メリットとしては、学生劇団から脱することで、社会での信用度は上がりますね。学内での活動だけでは、なかなか広く社会一般に評価されるところまでは行けないのですが、プロの劇団となることで、例えば、行政や企業などの助成金や協賛金を得る機会も得やすくなります。またそれにより私たちの表現をより多くの人に見てもらえるのではないかと思います。
デメリットとしては、今まで24時間無料で使えた劇研専用アトリエ(劇場兼稽古場)がこれからは使えなくなるので、代わりの稽古場や公演場所を探さなければならなくなるということです」


――そこまでしてどうして独立したいのですか?

「演劇研究会では、一つのアンサンブルが旗揚げしてから、だいたい4、5年で独立するというような流れがあります。4,5年も経つと、主宰者を含め多くの劇団員が卒業したり、中退したりと、いずれも学生ではなくなるわけで、本来的には大学の一サークルである「演劇研究会」としてはとても不健全な状態ですよね。若い現役世代に場を引き継ぐという意味でも、さっさと出て行かなければなあと思います。
それとともに、チャリT企画はいわば社会風刺をテーマにしていますから、外に出て、社会の厳しい反応に揉まれることで、初めてその真価が問われるのだと思います。いつまでも早稲田に居座っていても、所詮、学内という狭い社会ですから、毒を振りまいたところで届く範囲は限られていますからねえ。
私たち若い世代の中では、チャリT企画のようないわゆる社会派劇団は希少で、少なからず存在価値があるのではないかと思っていますので、外に出て行ってどんな反応をされ、それにどう応えていくか、これからが本当の正念場ですね」


――今後の最終目標は?

「ひとまず私には終わりというものがないですね。私の演劇は劇風からしてもある種社会運動みたいなものになっているので、ひたすら演劇をやり続けることに 意味があるんだと思っています。今後例えどんなに大きな劇場で公演できたとしても、またどんなに経済的に苦しくなったとしても、初心を忘れずに信念を貫い ていこうと思っています。
『茶化して笑わせつつも、ふとその奥底に横たわっている現実をあぶり出しては観客に投げつける』。私たちの劇風を曲げてしまっては演劇をやる意味が無いですから」。


――最後に最終公演に向けて意気込みをお願いします!

「劇団結成から6年。早稲田という場所や、お世話になった先輩、観に来てくれたたくさんのお客さんなど全てに対してありったけの誠意を込めてお送りしま
す。とにかく納得の行くものしかお出ししません。大いに笑ってやってください。私たちは微塵の悔いも残すことなく、早稲田から独立します!



 長い人生の中には、ターニングポイントとなる時が必ずある。劇団チャリT企画、そしてchari-Tさんにとって、今がまさにその時なのだろう。  
 今までの思いが一杯に詰まった早稲田での最終公演。期待せずにはいられない。

                           続いては、「チャリT企画の稽古場潜入レポ」へ!

最終公演情報:http://www.chari-t.com/topics/index.html
chari-Tさんのワセピ記事:http://waseda-links.com/sp/people/01/index.html

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【取材】山本・茂原奈央美【編集】山本祐司