〜次代への鼓動〜  

今年で第27回を迎える日本最大の学生ディスカッションイベント「国際学生シンポジウム」が、12月16〜18日に東京・国立オリンピック記念青少年総合センターで開催される。そこで今回、運営委員長を務める藤内省吾さんにお話を伺った。

―まず、国際学生シンポジウムとはどのようなイベントなのか、簡潔に教えてください。

当シンポジウムは、11のテーマに分かれてディスカッションをする、学生ディスカッションイベントとしては日本最大規模を誇るものです。
東アジア経済、日本外交、EU、開発、メディア、生命倫理など様々なテーマの分科会の中で自分の興味のあるところに参加していただき、2泊3日間徹底的に議論してもらいます。

―その議論の終着点は?

ディスカッションは、ディベートとは違って結論は出さないんですね。個々人の中でそれは出してもらえば良くて。最初持っていた意見と議論した後の意見に少しでも違いが表れ、色んなものを吸収して自分なりの意見を再構築してくれれば、それが最高の終着点になるのではないかと思います。

―参加者層についてお伺いしたいのですが、大学の比率はどうですか?

やっぱりどうしても関東でやるイベントでは関東の大学生が多くて、東大、早慶といったところが参加者の割合としては多いですね。とは言え、関西圏からも毎年ご応募いただきますし、去年は沖縄、九州からも来ていただきました。年によって差はありますけど、全国各地から来ていただけるというのも1つの特徴で、そういうイベントってなかなかないんじゃないかと思います。

―留学生の参加者もいるということですが、そうすると議論の展開が斬新そうですね。

そうですね。去年、僕は「東アジア」について議論したんですけれど、韓国の方が4人いらっしゃって。日中関係の話をしてる時にも、日本人だとどうしても中国に終始した議論になるんですけど、韓国の方がいると日韓関係との比較、あるいは中韓関係という話になってきて断然視野が広がりますし、韓国の政府の考え方や国民の意識に触れられるというのは非常に面白い。留学生の方というのはバックグラウンドが全然違いますから、第三者的な視点で見てもらったりできるので、そういう方がいるといないとでは議論の展開も全く変わってくるという風に思います。

―合宿中、学生間の交流はあるのですか?

毎年積極的な方がどこの分科会にもいるもので。出会ってすぐの1日目の夜は、「みんなで集まろうよ」という感じで、狭い部屋に15〜20人集まって色んな話をされますね。また、先ほど結論は出さないと言いましたが、どんな意見が出てきて、議論がどういう流れで進んだかというところを全体で共有しようという場、「報告会」を3日目に設けるんです。これには運営委員はほとんどタッチせず、参加者だけで、例えば紙に落としたりプレゼンをしたりするので、2日目の夜はその準備で忙しいですね。運営委員は、報告会の準備をしてください、とだけ言うのですが、毎年、せっかくだからクオリティーの高いものを作ろうってことでだいぶ夜も更けて作業されます。
全体の交流としては2日目の晩、全ての討論会が終わった後に、レセプションとして立食パーティーを開き、講師の方々を含め交流を深めていただきます。せっかく全国から来ているのに20人だけで固まっていたら集まる意味がないですからね。

―では、どういう方に参加してほしいですか?

日ごろ勉強してても、アウトプットする場がなかなかないじゃないですか。現在の日本教育の問題点とも言われてますけど、大教室の授業が多くて、ゼミとかに入らないとあまりこういう議論も出来ない。ゼミも全員が全員同じ問題意識を抱えているかというと、普通の授業よりはその傾向は強いですが十分ではないと思います。だから、アウトプットする場がないよってもやもやしてる人が1つ。それから、なんか大学おもしろくないな、だらだら過ごしてるな、とか物足りなさを感じてる人にも。もうすごい人――「同い年やのに何でこんなにすごいんやろう」、「あれ、コイツ年下なん?!」みたいな人もいますし、やっぱり頭がすごい切れる人もたくさんいますから、刺激のない日常からの脱却と言う意味で来ていただきたい。それから、話すのが好きな人、ニュース・新聞・あるいは授業を通して、問題意識を胸の中に秘めている人にも来てもらいたい。今、色々挙げましたけど、総括すると「パッション」を持った方ならどなたでも大歓迎ですよ。それが全ての行動の源泉となると思いますし、それがないと何も行動できない。そう言った意味で、「パッション」を持っている方がそれを更に発揮する場としては最適だと思います。

―でも内容がすごく難しくて、知識がないと参加できないのではと不安なのですが……。

それはもっともで、知識が全く必要ないとは言えません。けど知識というのは1つのファクターでしかなく、僕はあんまり重視してません。僕自身ただ喋るのが好きなだけなんで。これを機に、参加者の方がすごく刺激を受けて、勉強や色んな活動をするようになると思います。

―ディスカッションの楽しいところって何ですか?

知識がなくてもクリティカルなことって言えるんですよ。例えば4年生のそれを専門にやってる人には絶対知識では勝てないじゃないですか。こっちは本を1、2冊読んでるだけでしょ。でもそれこそ、ロジックの部分や簡単な部分でちょっと意見を言った時に、それがその人をうならせることもあるんですよ。そういう時に快感を感じます。あと、これはディスカッションを経ていかないと分からないんですけど、最初「はい、ディスカッションします」と言われても絶対発言できないんですよ。でも、やっていくうちにだんだん自分の言いたいこともクリアになっていくし、発言できるようになる。自分が話せると楽しいんですよ。それがコテンパンにやられても、また、うならせても、喋れたっていう達成感ですごい気持ちいいんですよ。

―最後に、今年はどういうシンポジウムが予想されますか?

それは本当に幕を開けてみないと分からないです。報告書や先輩の話で、どんな感じだったかというのは毎年聞くんですけど、やっぱり熱い。「熱い」。その一言に尽きる、と何人もの先輩に言われまして。開会式からみんなテンションがすごい高いですし、議論を重ねてお互いが顔見知りになると、深い議論ってどんどんできるじゃないですか。だから討論会を経るごとに、こうどんどん熱い議論になるんです。

閉会式では、スタッフはもちろん、参加者までも涙を流して。熱くて感動! みたいな。「こんなにすばらしいイベント、本当に参加してよかったです」って言ってくださる方も本当にたくさんいて、こんな風に言ってもらえるのはすごい幸せだと思う。今年もそうなるようにしないといけない、という一種の使命感もあり、きっとそうなるだろうと信じています。

お申し込みは、下記URLホームページの「参加者募集」からどうぞ。11月8日必着!!
国際学生シンポジウム公式HP:http://www.sympo.net
後援:外務省、日本経済新聞社、JICA東京 ほか
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【取材】渡辺・下平・高木【編集】小島