『25分の1』。この数字がいったい何を表すか、皆さんにはわかるだろうか?
これは、早稲田大学において留学生の占める割合である。全学生約50,000人に対して、留学生の数2,000人以上。この数を多いと感じるか、少ないと感じるか。そこに個人差はあるかもしれない。しかし彼、大原学さんはその数に驚きを覚えたのだという。――「留学生ってそんなにいたのか!」という、単純な驚きを。
「僕自身、このイベントを始めるまでは、早稲田にそれほど多くの留学生がいるということを知りませんでした。知らなかったし、気付けなかった。『早稲田にはこんなに多様な文化があって、自由に国際交流ができる』なんて言われてはいますけど、実際のところは国際教養学部の一部の人と、本当に語学に興味のある人以外、日本人と留学生がお互いに混ざりあえていないってことですよね」
このことを知る前から、大原さんはこの“早稲田”という大学に留学生の集える「祭」を作ろうと考えるようになっていた。留学生が中心になって活動できるような、形だけの国際交流とは一線を画した、本当の「祭」。そして、そのアイデアを形にしたものこそが、WASEDA INTERNATIONAL FESTIVAL(WIF)である。
「WIFというのは、簡単に言うと留学生を中心としたパフォーマンスのお祭です。他にも色んな国際交流のイベントはありますが、一番の違いは留学生がリーダーになってパフォーマンスのチームを作っているということ。留学生がリーダーで、チームの中に一人は必ず日本人を入れる。それだけがチームを作る条件で、あとはすべて自由です。そのチーム単位で、留学生各自の持っている文化を表象するダンスや踊りや音楽、もしくは衣装だったりをパフォーマンスしてもらうんです」
この発想の基礎になったのは、彼自身の留学時代の経験から。彼が留学したアメリカの大学には、同じく留学生が中心になって開かれるインターナショナルフェスティバルがあった。
「僕にも『そこで何か出し物をやってくれ』という話がきて、僕は“よさこい踊り”をやることにしました。興味のありそうなアメリカ人にはとにかく教えて回って、二ヶ月くらい猛練習しましたね。それを実際にフェスティバルでやり終えたときに、現地の人から拍手をもらったんですよ。その瞬間、それまで外国で劣等感しか感じていなかった自分がようやく自分自身を表現することができて、初めてみんなに受け入れられたなって思えた。僕にとって、本当に忘れられない経験になりました。だけど、僕が戻ってきた早稲田には、そういう『留学生が主体的に表現する場』がなかった。ないのなら、自分で作るしかないなって思ったんです」
一月の結成から半年足らずというわずかな期間で現在の形にまで組織されたWIF。しかし、彼にとって、今の組織の形はまだまだ理想からは遠いのだと言う。
「本当の理想を言えば、留学生自身が運営の中心になってほしいなと思っているんです。留学生自身が発案して、メンバーを集めて、ビラを作って、それを配って。だけど最初からそこまで求めるのは無理だから、とにかく最初の一回をやってみようと。その第一歩の手助けを、自分ができればいいなぁと思ったんです。
それと、もしこのままWIFが続いて行けば、このイベントを留学生にとっての早稲田祭にすることができるんじゃないかって、そういう期待も持っているんですよね」
彼らWIFメンバーの掲げたこのイベントのキャッチコピーは、「祭は国境を越える」。
彼らの抱く思いが本当に“国境を越え”たときに初めて、これまでのキャンパスでは“お客様”でしかなかった「留学生」が、早稲田祭に匹敵する文化を作り上げていく「早大生」へと変わることができるのかもしれない。
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