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T.A.P. 天龍村アートプロジェクト
〜アートを通じた村おこし〜 |
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愛知・静岡・長野の県境に位置し、県下No.1の少子高齢化の問題を抱えている村がある。長野県天龍村。
東京に暮らすある1人の青年が、親戚を通して天龍村と出会うことからこのストーリーは始まる。太田信吾さん。現在、早稲田大学3年である彼は、ビルに囲まれ人間関係も希薄な東京で自分を出し切れず、やりにくさを感じていた。
しかし、そんな彼に転機が訪れる。天龍村との出会いだ。「この天龍村でなら自分を素直に表現することができたんです」。そう語る彼は、以前からアートに興味があったこともあって、“アート”という媒体を通してこの村で何かをしたいという熱い思いを持つようになる。それ以後足繁く村に通い、村民と1対1で何度も話したりもした。
そして昨年、太田さんの思いに共感して集まった仲間と共に、ついにTAP(天龍村アートプロジェクト)が発足した。「村と学生の関わりは成功しない」という村人の固定観念を崩す、大きな一歩を踏み出したのだ。

「アートは作る過程が魅力。作る人にしかわからないエネルギーがそこにはある」。そう語る太田さんは、まず始めに、天龍村の村民にアートの魅力を体感してもらおうと試みた。その試みとして行ったのが小学生対象の演劇ワークショップ。好奇心に目を輝かせ、普段出てこない言葉を台詞として口にしながら演劇に取り組む子どもたちに、太田さんは深く感動したという。
そんな彼からは、特に重い問題意識も地域参画の念も感じない。なりゆくがまま、やりたいことをやっているだけだと言う。しかし、「楽しみたい。人と関わっていきたい」。偽りのない純粋な思いが確かにある。
このTAPには、太田さんを支える強力なメンバーたちがいる。このプロジェクトは、彼ら一人ひとりの色で織り成されてゆくのだ。
まずは赤井さん。
“アートを通してボランティアをしよう”というコンセプトの元に実施される今回のプロジェクト。しかし、「アートは果たしてボランティアといえるのだろうか」。そんな素朴な疑問が浮上する。それに立ち向かったのが、まさに彼である。アートという間接的な方法だけではなく、学童保育や農作業野手伝いなど、直接的なボランティア活動も目的とするそうだ。「ただの山村留学で終わらせちゃいけない」。そう力強く言う彼。村と自分、自分と参加者、その関係の中でしか生まれない価値を、このプロジェクトの中で見出していこうという、熱い思いを抱いている。
会計を務める坂上さんは、以前天龍村のCM制作の話を持ちかけられ、当時はほんの軽い気持ちで引き受けた。しかし、今の坂上さんには、そのことを感じさせない確固たる意思がある。
「この村には閉鎖的な部分があるんです。僕自身も初めはあまり思い入れがあるとは言えない部分がありました。でも、天龍村の人は一度仲良くなったら、それからは気軽に話してくれる。そういうところにだんだんと親近感が湧いてくる自分がいるんです」

演劇班の代表である横田さんは、今回、小学生と“遊ぶ”ことを活動の主軸としたいと語る。演劇というカテゴリーでありながら、あえて“遊ぶ”と言うのは、村の人が何を求めているかを模索しているため。また、「この村は稽古場としての利用が最適なのではないかと思います。天龍村にあふれる豊かな自然。この環境を利用して、劇場から抜け出したパフォーマンスの場を生み出したいですね」と、村に対して一味違った想像力も抱いている。

写真班の代表を務める服部さんは「写真は瞬間を刻むものだけど、その過程を大切にしたい」と言う。天龍村には、「負の遺産」(過去、強制労働者が駆使された平岡ダム建設にまつわる歴史)という言葉が付きまとっているが、村民一人ひとりの笑顔は村の歴史全てが暗いわけではないということを物語っている。そんな、村の生き生きした遺産をアウトプットするために、村人2000人全員を撮影し、廃屋を展示場所として活用かすという、アートと写真の過程である村民との交流を融合した、新たな試みを展開する。
それぞれの志を抱いたメンバーと共に、2006年8月、1年間の準備期間を経て、天龍村アートプロジェクトは本格始動する。
彼らの今年の目標は、“今後もプロジェクトを継続していくための基盤をつくること”。
「100年かかってもいいから形にしていきたい」
太田さんが放つ一言に、言霊を感じた。
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【参考URL】
天龍村ホームページ http://www.vill-tenryu.jp/ |
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【取材】下平【編集】小島 |
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