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8月15日、プロジェクトが8月8日に始動してから1週間となるこの日に、再び天龍村を訪ねた。そこで見たのは、以前とは違う彼らの姿。10人にも満たなかったT.A.Pであったが、現段階では32人、村に滞在していない学生も含めると約50人もの集団になっていたのだ。最近は信濃毎日新聞や長野毎日放送に取り上げられるなど、メディアからの注目も高まっているとのこと。
そんな今までとは一味違う彼らは、天龍村では毎年8月15日に開かれる成人式の余興を、村からの依頼で行うことに。成人式にはT.A.Pの新成人も一緒に参加するなど、村に溶け込もうとする姿勢が窺える。まず初めに、新成人を追ったドキュメンタリー映像を上映。今は村を離れている新成人が村への想いを語った心温まる映像だ。制作陣は、村のCM作りとの同時作業とあって、本番間近は徹夜の日々が続いたという。続けて行われたのは特別ゲスト「キセル(http://www.nidan-bed.com/)」のライブ。幻想的で心安らぐ音楽が場内に響き渡り、穏やかな感動に包まれたまま成人式は無事終了。その後行われた昼食会では、村の人々からも成人式の成功を喜ぶ声が多々聞こえ、T.A.Pの活動が評価されていることが感じ取れた。
午後からは、夜に行われる夏祭りの準備が始まった。演劇班は、どうやら昔懐かしい紙芝居屋をやるらしい。実際に使う紙芝居は、ストーリーも絵も全て彼らの手作り。その一枚一枚からは、そこに籠められた温かい想いが感じ取れる。演劇班以外の学生は、屋台の手伝いをするという。このように、T.A.Pの学生は村の行事にも積極的に参加している。今回の成人式、夏祭りも、村人とコミュニケーションを図る絶好の場だ。
そんな一方で、彼らは班毎で制作に励む毎日を送っている。美術班は、村人に絵を描いてもらい、それを集めた展示会を計画しているそうだ。しかし、絵を描いてもらおうとお願いしても拒否されることは少なくない。それにもかかわらず、「大事なのは書くことよりも、書いてもらえるようお願いをする、そこで生まれるコミュニケーションなんですよ」と、彼らは一見大変に思える過程を何よりも大切にしているのだ。
そして始まった夏祭り。バックミュージックを奏でるのは、T.A.Pの2人組ユニット「kumanomi」による生ライブ演奏だ。天龍村をテーマにした彼らの曲は、自ら作詞作曲しているとのこと。祭会場を見渡すと、カメラを手に熱心に撮影して回っている学生たちも見受けられる。彼女たちは、天龍村の写真集を作るべく、毎日村人や村を撮影しながら歩き回っているという。「撮影しているうちに、どんどんこの村や人の魅力が伝わってくるんです」と、新しい発見続きの毎日だそうだ。
小さな子どもからお年より、そしてT.A.Pの学生まで、様々な人々が交じり合いながら繰り広げられる盆踊り。やがて、胸に響く重低音と歓声と共に、打上げ花火が視界いっぱいにひろがる。天龍村の夜空を飾る美しく勇ましい花々に、魅了されないものなどいなかっただろう。最高潮の盛り上がりを見せたまま、夏祭りはその幕を下ろした。
この夏祭りを通してT.A.Pが天龍村にこだわるその理由がはっきりとわかった気がする。気さくに話しかけてくれるおばさん、ビールを差し入れしてくれるおじさん、無邪気に走り寄ってくる子どもたち。そして、汗を流しながら笑顔で働くT.A.Pの学生たちそこには何の壁もなく、ひとつになっている村と学生の姿があった。村の人々の温かさ、心の広さ、子どもの素直さこそが、彼らをこの村に引きつけている源、そのものなのだ。天龍村の夜空に散りばめられた星屑たちは、それを映し出しているかのように眩しく輝いていた。
T.A.P。彼らはこの村が心から好きなのだ。そんなことがわかった今回の天龍村訪問。彼らの天龍村への想いは、きっとこのプロジェクトを成功へと導くであろう。
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