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学生が、「思い」や「メッセージ」を出版というかたちで社会に発信する機会を得るため、プレゼンバトルを繰り広げる出版甲子園。編集者の目にとまった優秀な企画は、出版化のチャンスを手にすることができる。学生の手で、今の出版業界に新たな風を吹き込もうとする実行委員長の松井峻一郎さんと、広報局局長の鈴木美穂さんにお話を伺った。

――出版甲子園を運営する面白さを教えてください。

コンペの三次審査以降は、実行委員が企画者と二人三脚で一緒に企画をブラッシュアップしていくのですが、その過程で、伝えたい思いを持つ企画者と直に話し合えることですね。それから、出版甲子園は今年で第3回目を迎える歴史の浅いイベントです。先輩からも、出版甲子園を今後どんなかたちにしていっても良いと言われていて。だから、今年の実行委員が何から何まで自由にイベントを作っていけること、それがとても面白いです。

――「出版」を扱うことにはどんな意味がありますか?

ウェブなどの新しいメディアと違い、本は作るのにとても時間がかかるんですよ。作家さんの企画が本になって読者の手に届くまでの長い過程で、いろんな人の手に触れ、目に触れる中で本が完成していく。それは本が温かみのあるメディアになる理由であり、出版甲子園はそこに注目して出版という伝達のツールを選んでいるのです。そのように、作るのがとても困難なメディアを伝達のツールにすることで、企画者自身の中で伝えたい思いに整理がついて、しっかりしたかたちのあるメッセージになっていくのだと思います。今年、「伝えたい思い、本に育てる」というキャッチコピーで企画を集めたのはそういった理由があります。このキャッチコピーのもと、「これを伝えたいんだ」というメッセージをしっかり押し出した熱意のある企画が集まったと思いますよ。

――出版甲子園は、出版業界にどのような影響を与えられるとお考えですか?

今、出版業界は下火になっていますよね。これまで本は大きな権威を持っていたけれど、その権威が弱くなってきているのかもしれません。出版のハードルも昔に比べれば下がってきているようですが、その状況は私たちでも本を書きやすいということだから、喜ぶべき状態だとポジティブにとらえています。出版甲子園を通して、本は読むものという一方向的な捉え方から、本は作るものという新しい本との関わり方を学生さんに知ってほしいです。それによって、出版業界に向ける学生の目が、「私たちにも本が書けるんだ」という見方に変わっていけば、少しずつ出版業界を盛り上げていけるでしょう。

――出版甲子園をどのようなイベントにしていきたいですか?

今年、私たちは、企画が本になったときに売れるかどうか、または企画者が原稿を書けるかどうか、という点は極力気にしないで、本当に伝えたい思いがあるかどうか、これが本当に世の中の人に伝わるかどうか、という基準で企画を見ていこうと思います。実際に本に出来るかどうか、というのは審査員の方が判断してくれますから。私たちにはそれとは違う観点が求められているんですね。その上で学生らしさってなんだろう、と考えることがありますが、私たち自身、それを模索しているところなんですよ。「このメッセージは強く伝わってくるな」とか「このメッセージは社会人には思いつかないな」とかって実際に企画に出会ってみないとわからないんです。そういう思いのある企画に出会ってみたいから出版甲子園をやっているともいえますね。出版甲子園はまだ実験段階にありますから。


【プロフィール】
第3回出版甲子園実行委員会 実行委員長 松井峻一郎
(慶應義塾大学法学部政治学科3年)
第3回出版甲子園実行委員会 広報局局長 鈴木美穂
(早稲田大学文学部4年)
第3回出版甲子園:http://shuppankoshien2007.picaso.jp/
企画募集期間・・・7/1〜8/8
一次審査・・・8/11,12
二次審査・・・8/28,29
三次審査・・・9/18〜25
※予選選考の日程については、ただいま調整中であり、変更される可能性があります。
※各々の審査の詳細については、内容が決定次第ウェブサイト上にて告知いたします。
決勝大会は10月21日、国立オリンピック記念青少年総合センターにて行われます。

記事:柏崎彩花



次回の更新予定は8月19日です。

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