――大学生活を振り返ったときに、まず何が思い浮かびますか?
「鎌倉てらこや」っていう活動だね。ゼミに入ったら、そこがやってたんだけどね。子どもを中心とした若者や大人、地域の人の輪が、昔はあったけど今はないでしょ。だからいろんな人やものに出会える場を作ろうって活動なんだけど、最初は積極的に関わる気はなかった。たまたま田んぼ活動の班長を任されて、最初はいやいやだったんだけど楽しみを見出して、結局「てらこや」のリーダーをやって、現在に至ると。
――その経験からどんな影響を受けましたか?
考え方が広がったね。それまでは自分の決めた枠の中で生きてたけど、それ以外のものに楽しみを見出せるようになった。
一、二年のときは自分と同じような人としか話さなかったけど、今は自分と違うことをしてる人にすごく興味がある。他の人の価値観を知りたいと思うようになったんだ。
――自分にないものを持ってる人を知るってことですね。では石川さん自身が今一番興味があることは何ですか?

今一番興味があるのは子どもかな。子どもってものに可能性を見出したっていうか。
就活中に思ったんだけど、面白い何かを考えるのってやっぱり人なんだよね。で、人が作られるのはいつなんだろうって考えたら、やっぱり子どものとき。その子どもと関わるのって、すごく面白いんじゃないかな。
――それはやっぱり「てらこや」の活動で感じたことですか?
そうだね。元々子どもは好きだったんだけど、もしやってなかったら好きっていうレベルで終わってた。「てらこや」に入ってみて子どもの面白さを感じたかな。
それだけじゃなく大人も面白いよ。いろんな親御さんの話聞いてるうちに、人って面白いなって。俺自身まだまだ自分の軸を探ってる途中だから、いろんな人に出会って生き方を学ぶことに惹かれてる。「てらこや」はそのための手段だね。
――人との出会いが大切なんですね。

大学の授業って単位を取るために受けてるわけじゃん。でもそんなの自分の中に蓄積しないんだよ。
大学生がすべき勉強ってそうじゃないと思って。社会に出る一歩手前に、自分の生き方について見つめることを学ばなきゃいけないんだよね。自分の核になるもの、自分の中の一本の筋を見つけることが大事なんだ。でもそれって普通に授業受けてるだけじゃ分からないんだよ。
いろんな人にそれぞれの生きてきた話を聞くと、すごく楽しい。それ自体がものすごく面白い授業なんだ。
――やはり、大切なのは視野を広げることなんでしょうか。
今の大学生は自分の枠を持ってる人が多いと思う。俺も以前は好きなこと一筋だったけど、逆に言えばそれにとらわれちゃってたのかな。
自分の価値観の枠の外にあるものを、自分の枠の中に入れた方がいいと思うんだ。別にそれを価値観のトップにする必要はないと思うんだけど。たとえば「てらこや」は社会貢献ていう硬いものだけど、そういう硬いものでも少しでいいから考えてみるだけで、価値観がぐっと広がると思うんだよね。それってその人にとって相当プラスになるんじゃないかな。
――今後はどうありたいですか?

今は留学しようかなって思ってる。世界を見てみたいって発想も今まではなかった。
「てらこや」で「グローカル」って言葉をよく使うんだ。グローバルな視点とローカルな視点を両方持つってこと。視野を広げることももちろんだけど、自分の足元を見つめることも大事だと思うんだよね。何事もそこから始まると思うんだ。
だからもしでかいことをやるようになったとしても、目の前の人への優しさは忘れないようにしたいね。