――まず何故早稲田に入ろうとしたのですか。
本当は国立志望だったんだけど落ちてしまって。
浪人も考えたけど、早く社会に出たいと思っていたから、センターでたまたま受かった一文に入学を決めたんだ。
だから最初は早稲田に通うのがすごく嫌だったんだけど、今は大好きになったよ。
――早稲田にすっかり染まってしまったんですね。早稲田のどのあたりに魅力を感じましたか。
やっぱり人数が多いから、いろんなタイプの人がいるというところかな。
引きこもりがちな人から、とてもアクティブで起業しちゃう人、おしゃれにテニスを楽しんでいる人まで……とにかく多彩だよね。
あと、みんな早稲田が大好きだから、それにつられて、てところもあるかな(笑)
――早稲田の生徒は特に愛校心が強いように感じますしね。
ところで、高木さんはアトム通貨の事務局長という、責任ある立場を務められているだけあって、とてもしっかりした女性という印象を受けたのですが、大学に入る前はどのような人柄でしたか。

中学、高校のころはボーっと過ごしていたな。
ただ、大学はせっかく高い学費を払って4年間通うのだから、何か目的意識を持って過ごさなきゃいけないって考えていたよ。
――では実際、大学生活の中で、何か影響を受けた出来事などはありましたか。
入学当初に入っていた政治サークルで、世の中の出来事に対して、なぜそれが起きたのか、解決していくにはどうすればいいのかという、一歩先まで考えることを学んだことかな。
それまでは、ただ物事の表面だけを見てこれは良い、悪いとしか判断していなかったから、すごく新鮮
だったな。
――そういった考え方を学んだことは、アトム通貨の活動でも生かされているんですか。

そうだね。最初のころは、私も社会を活性化させて、家族に絆を! みたいには思っていても、現実にはそうならない理由って全然考えてもいなくて。
商店街の方にアトム通貨の渉外に行くときも、『地域のためになることだから、みんな受け入れてくれるだろう』と簡単に考えていたんだけれど、実際は手厳しく追い返されたり、長々と説教されてしまったんだ。
でもよく考え直してみると、彼らには彼らの生活があって、日々懸命に働いてやりくりしていっている。その中からお金を出すという事の大変さを私は理解していなかったんだよね。
そうやって具体的に社会ってものが見えてきて、そんな甘い考えは通用しないって気づいたんだ。
世の中理論だけじゃ変わっていかないんだよね。ちゃんとそこに住む人の実情まで考えていかないといけない。
――商店街を表面からではなく、内部の住民の方々の視点に立って見るようになったんですね。
そうすることで、社会の厳しさも見えてきたということですか。

そうだね。学生が初めて社会ってものにぶち当たるのって、たぶん就活のときなんだ。そのときになって初めて、社会のなかで自分のできることって何だろう、自分の特性って何だろうって考えるようになると思う。
けれど私の場合、アトム通貨で1年生の春のから具体的に社会ってものを見てきて、社会の中で自分がどれだけ無力な存在なのかに気づくことができたのは良かったと思う。自分のできないことを自覚すると、もっと勉強して自分のスキルを上げていかなきゃとも思えるし、逆に『じゃあ自分には何ができるんだろう?』って考えて、できることから始めていけるんだよね。
――自分の無力さに気づいても、そこで諦めてしまわずに、逆に成長の糧にしてしまったのですね。
高木さんはそんな今の自分自身をどういう人間だと捉えていますか。
自分の好奇心をすぐ行動に移せる人間かな。
そもそも知らないってことが大嫌いだから、どんなことにでもどんどんぶつかっていっちゃうんだよね。
――ぶつかっていくときに、失敗を恐れて躊躇したり、不安になったりしないのですか。
基本ネガティブだから、やっぱり少し悩んだりはするけど、そういう『まずはぶつかってみよう』っていう姿勢ってとても大切だと思うんだよね。
手当たり次第ぶつかっていくことで、自分のできることの可能性が見えてきて、夢も広がっていくと思う。