学生生活であなたは何を得ましたか?
ここに記すのは卒業生が残す8つの物語。
彼らと共に、大学生活を思い返してみませんか?
そこからきっと自分自身が見えてくるはずです。







――大坂さん自身はどのような人間なのでしょうか?

早稲田祭をやっていたときからよく「バランス感覚がいい」と言われるようになったね。それと、これは自分の願望でもあるんだけど、飄々(ひょうひょう)とした人間かな。気持ちのアップダウンは少ないよ。

――物事をうまく受け流して精神のバランスを保っていられるわけですね。

それと最近、カメレオンって言葉を自分で使っているんだけど、何かやるときって色々役割が出てくるじゃない?
そういうときに集まった人に合わせて「自分はここやろう」ってできる人間だね。今までも早稲田祭のパレードのリーダー、副代表、メガピース(※)では内務と、色々な立場をやってきたよ。

――3年次に早稲田祭の副代表を務められたわけですが、なぜ副代表を目指されたのですか?

早稲田祭って幹部が10人いて、代表一人副代表二人とそれぞれの部門を統率する局長なんだけど、ぶっちゃけ僕は局長になりたかったんだよね。 だけどうちの学年は副代表になりたい人が誰もいなくて、その時に「こういう状況で自分が副代表であることに疑問を持たずに、モチベーションを落とさずにやれるのは自分しかいないな」と思ったからなんだ。

――1年間経験してみて、いかがでしたか?

それまで以上によりバランス感覚だったり「飄々とする」という部分を意識したな。
立案して、最後まで遂行するということが基本的になくて成長してる感触は得にくいし、自分より前の副代表の人たちに個人の能力では何一つ勝てるところがないって思ってた。だけど1年生が入ってきてからは「1年生にとっては自分が副代表なんだ」って考えて「全員が集まるときに落ち込んだ顔を見せなければ成功だろう」とわりと早い段階で気づいたよ。
そういう意味で精神のコントロールみたいなところは3年目はすごく意識してたな。

――バランス感覚は入学当初から持っていたのでしょうか?

いや、なかった。だから多分4年間で一番変わったのはそこなんだろうな。
精神的に良くも悪くもぶれなくなって、前向きになったよね。
「勝てねえな」とか「自分と違うものを持ってるな」、「違う経験をしてるな」って奴って、世界が広がった分昔より今の方がいるじゃん?
そこで「自分ダメだな」ってただ思ってた時代があったけど、今は「じゃあ自分は今日どうしよう」「明日は何をやればいいんだろう」って発想の方向に向くようになったんだよね。
学生生活で自分というものに自信がついたけど、多分社会に出たらそれってすぐ崩れる。だけどそこでただ崩れるんじゃなくて「作って崩れて作って崩れての繰り返しなんだろう」って考えて次に進むことができるようになったのは成長した部分なんだと思う。

――4年間早稲田で過ごされた感想はありますか?

高校時代に自分が早稲田に期待してたものにばっちり当てはまったかな。
「自分は特異な経験をしていない18歳19歳なんだ」という意識だけはあって、それがあまり良くない劣等感としてあったんだよね。高校時代に自分をすごいとは思わなかったけど、逆に「こいつには勝てないな」っていう感覚がなかった。そういうのを求めて早稲田に来たから、4年間で「現時点ではお手上げだよ」って人にたくさん出会えてそれが良かったな。

――今までの話を踏まえて、今後社会に出てからはどのように過ごしていきたいですか?

やっぱり飄々と生きていたいな。飄々と生きるっていうことは時に辛いことから逃げて傷つかないようにっていうのと表裏一体なんだけど、そんなこと説明しなくても自分がどういう人間であるのかは見てもらえれば分かるっていうような人間になりたいとは思ってる。
それと中高大って3年・3年・4年てスパンでくるけど、社会って不確定かつ最長40年のスパンで来るじゃない?
だから「何を最終的に成し遂げればいいんだろう」って考えることがあるんだけど、分からないままでいいんだって思う。
例えば自分は音楽とか映画とかが好きなんだけど、いい映画って50本に1本くらいの割合でしか出会えない。でもそのときに「これでいいんだな」「この瞬間をもう1回迎えるためにもう3ヶ月生きてみよう」って思う自分がいるんだよね。