合格体験記

合格体験記 vol.14

【ペンネーム】まきぶー

2007年3月 埼玉県立大宮高校卒業
同年4月  早稲田大学社会科学部入学


高校1・2年高3の春夏休み部活引退後冬休み受験直前受験結果最後に


■高校1・2年

「落ちたら死ぬ」と宣言するほど惚れ込んだ高校に入学できた15歳の春。何でもできる気になって、楽譜も満足に読めないのに吹奏楽部に入部してしまいました。楽器はトランペット。それしかよく分からなかったから。新しい顧問は全国大会常連校から赴任してきた御方。音感もリズム感もゼロの初心者……の私がついていけるわけもなく……。周りはどんどんうまくなり、2年の春には経験者の後輩も入ってきた。努力しても追いつけず、吹くたびに鬱。おたんこナスと罵られ泣いた夜が何度あったことやら……。退部の危機は幾度となく訪れましたが、なんとか3年まで持ちこたえました。

授業中は完全に息抜きで、睡眠かお絵描きかおしゃべり。テスト前は部活停止なのでつかの間の休日と化し、テスト勉強はほぼ一夜漬け。数学は再テストがあたりまえで、再々テストも経験済みです。2年の前期でついに赤点をいただいて、ついでに後期中間で物理でも9点をとり、受験どころか進級の危機に……。1年から文系私立と決めていたのに、2年後期は理系科目を猛勉強! そのかいあって無事進級!! しかし今度はライティングと古典でクラス順位ビリから2番目をとるはめに。暗い青春をおくっていました……。



■高3の春

3月、吹奏楽を9月までキッチリ続けた仲良しの先輩が早稲田の一文に合格し、「部活やってても受かるんだ!」と深い感銘を覚えました。それを機に進路について真剣に考え、「女は度胸」がモットーのあたしはやっぱ早稲田でしょ〜と、第一志望は早稲田に決定!
受験勉強を始めるにあたり、とりあえず成績が急降下していた英語だけ予備校に入ってみました。しかし初授業の日、「部活との両立無理だわ……」と思いいきなりやめることに……。予備校に電話をかけると「籍だけ置いておいて自習室だけ使ったら?」と言われ、そうすることにしました。それからは部活のない日にちょくちょく利用してました。

3年になってからは学校の授業を真面目に受けるようになりました。英語の予習、復習はキチンとこなし、国語の授業もばっちり起きてました。日本史はノートまとめを最初からやり直し、奈良時代までは完璧☆ しかし6月には体育祭と定期演奏会の2大行事があり、その準備で勉強は一時中断……。

気がついたら7月で、もうすぐ夏休み! 夏休みに巻き返すぞ☆ そう意気込んでいたところに配られた部活予定表。叫びました。


活動日多すぎ!


休日は9日間だけ。1日練が大半。遠征も合宿もある……。確かに全国大会を目指す吹奏楽部としては練習時間は少なかったです。でも、早稲田を目指す受験生にとっては多すぎる……。先生はあたし達の大学進学を阻止しようとしているのかしら? 何で音大行くわけでもないのにこんなに部活やってんの? そんな不満で頭がいっぱいでしたが、先生に文句を言うこともできずどうにかするしかなくなった夏……。



■夏休み

コンクール県大会は8/12。7月後半から始まる遠征合宿の前にできるだけ勉強しておこう! と思い、7月の半日練習の日やわずかな休日は猛勉強しました。英文法を中心にひたすら問題集をやりました。電車内では朝は英単語暗記、帰りは国語力向上のためと息抜きを兼ねた読書。部活を引退した人に負けたくなくて、部活を6時間やりつつ9時間勉強した日もありました。毎日へとへとだったけど、なんだかいきいきしてました。勉強と部活を両立している私、に酔ってました。

しかし遠征合宿を経て怒涛の8月コンクール前になると勉強時間は激減。ていうかほぼゼロ。県大会突破後の1週間のお盆休みも勉強モードになれず、トランペットを吹きに学校に行ったり、予備校の自習室に行くもだらけてしまったりでほとんど勉強しませんでした。お盆休みにつめる予定だった日本史がここで大幅に遅れてしまい、結局、奈良→平安までしか進まずあとで苦労することに……。

8月後半は9/2の西関東大会に向けてほぼ毎日1日練。またまた勉強時間ほぼゼロ生活が始まりました。でもここでは、それで良いと思えました。3年間なんとか続けてきた部活。やっぱり全国大会に行きたい! ここで全力出さないでいつ出す!? と思い、とりあえず受験勉強一時中止。吹奏楽にかけました。そして迎えた西関東大会。全国大会出場は上位3校。結果は4位。3位と1点差でした。でも、悔しい気持ちより、最後まで部活を続けられた嬉しさでいっぱいでした! 最後のステージは1週間後の文化祭となり、受験勉強中止期間を延長して練習。当日は笑顔でトランペットとさよならできました。そして9/13の引退式を終え、私は本物の受験生に!!!



■部活引退後

いきなり勉強できる時間が倍増です。とりあえず、予備校に相談。「今から授業をとって中途半端になるより、冬期講習だけとったら?」と言われ、そうすることにしました。平日放課後は学校に残って勉強、休日は予備校にこもって勉強、という日々が始まりました。放置していた国語、中断していた日本史にもやっと手をつけ始めました。英語は夏休みにやった問題集をもう1回やることにし、英単語集も2回目に入りました。勉強一色の生活に慣れると、勉強が楽しくなりました。やればやる程知識が増え、成績が少しずつ上がって行く。失敗しても先生に怒られないし、仲間にも迷惑をかけない。吹奏楽より楽!

11月には早稲田祭に行き、「やっぱ早稲田だ」と再確認。どんどん勉強時間は増えていき、毎日夜中までやって遅刻ギリギリに登校してました。「無理するな」と言われても、みんなに追いつくために無理してました。時には無理も必要です! ネガティブだった性格がどういうわけかどんどんポジティブになり、絶対合格できるという根拠なき自信が生まれました。模試ではずっとE判定だったので、家族や先生には無理だと言われ続けました……。



■冬休み

冬休みから予備校の冬期講習に通うことにし、日本史と古典をとりました。日本史の授業で、あてられて即答する本科生に驚きしばし彼らとの差に落ち込みました……が、すぐに立ち直り、毎朝1番に予備校に到着し授業の時間まで自習室でもくもくと勉強しました。予備校内に友達はゼロ。お昼時間の時間がとても孤独だったので5分で食べてました。このころ女らしさというものは完全に失っていました。トイレの鏡で髪ボサボサ・眼鏡・顔色悪い自分を確認し、「……学歴で生きてくしかない……」とモチベーションをあげてました。

風邪対策で常にジャージを羽織り、脳ミソのために糖分を大量摂取。みんなに追いつき、追い越すためには美容なんてすべて犠牲にしなくては! 毎日本当にガリ勉しました。もちろん夢の中でもです。唯一丸1日勉強しなかった1/3は、同じく早稲田を目指す親友と湯島天神へお参りです。そこで「お守りネックレス」なるものを買い、毎日身につけました。「色気がない」と言われても、あれは私の心の支えでした。オススメです! 800円で買えますよ☆



■受験直前

充実した冬休み後のセンター試験は、立教(社会・現代文化)に出願したものの対策なしで挑みもちろん不合格。センター対策をしている時間はなかったのです。このころ、少しずつ焦り始めていました。日本史が間に合わないかもしれない……。通史は一応やれたけど、細かいところが全然頭に入っていない。早稲田のレベルまで全く達していない。過去問も全然解けてない。1月下旬なのに、一応滑り止めにした青学、立教の2006年分しか解けていない状況。部活を引退してからがむしゃらに勉強してきたけど、まだまだ追いつけない。時間が足りない。……こんなんで受かるのか!? 不安に思っても立ち止まる暇さえなく、とにかく1月中は日本史をつめることに。そして2月の自宅研修期間に突入しました。

2月からは健康と試験当日のために、6時起き23時睡眠の日々をおくりました。日中は予備校自習室詰めです。2月の始めからやっと早稲田の過去問を解き始め、1日1学部1年分を毎日解きました。答えあわせ後の復習を徹底的にやったために、過去問以外のことができなくなる日もちらほら。日本史はやればやるほど穴が見えてくるのに……。10分ほど悩んで、青学と立教の過去問をもうやらないことに決め、早稲田の日本史対策に回しました。「過去問1年分しかやってないから滑り止め落ちるかも……でも早稲田にかけよう。早稲田にしか行かないし!」と腹をくくりました。そのかいあって日本史は正答率が上がっていきましたが、今度は英語が激しく落ち込んでしまいました。わからない単語はゴロゴロ出てくるし、いまさら英語は伸びない。英語は3年の最初から1番頑張ってきたのにどうしよう……。

さすがにずっと前向きだった心が折れかけました。お風呂で号泣。でも部活時代の辛い思い出を思い出しているうちに、「受験まで失敗したら自分がかわいそうすぎる……なんとか受からなきゃ!」という気になれ、また復活。受験1週間前からは予備校に移動する時間すら惜しくなり、家でパジャマを着たまま勉強してました。青学受験3日前にふと開いた英単語集。あれ、これ早稲田の過去問でわからなかったやつじゃ!? 半分から後ろの単語が、全然覚えられてなかったんです。慌てて暗記。あの時単語集開いてホントに良かった!!! なんとか英語を持ち直し、2/13〜23の受験本番が始まりました。



■受験結果

青山学院大学文学部史学科  合格
立教大学社会学部現代文化学科  合格
早稲田大学文化構想学部  補欠→不合格
早稲田大学教育学部教育学科生涯教育学専修  不合格
早稲田大学社会科学部  合格
早稲田大学文学部  補欠→不合格


なぜか全試験まったく緊張しませんでした。かなり平常心で受けられました。
社学の国語は過去問では常に90%を越えていたのですが、本番では20分間何も解けずカンに頼った問題も……。日本史で大好きな美術史が大問ででたのが勝因だと思われます。 



■最後に

今勉強が苦手でも、時間がない状態でも、早稲田に入りたかったら目指してください! 諦めないでください! 確かに合格への道のりは遠いし、苦労もありますが、挑戦してみる価値はあります。落ちることは落ちた時考えればいいんです。とにかく受験期間は受かることだけを考えて、前向きに努力すれば人生どうにかなるもんです。心が折れそうな時も、もうどうしようもない状況になった時も、いや大丈夫だと自分をだまして進んでください。諦めないということが何よりも大切。受験にどっぷりはまって、たとえ判定が悪くても絶対合格するという根拠なき自信が生まれるまで努力すれば、受験の神様は見ていてくれると思いますよ。乗り越えたら、強くなれます。皆さんの合格祈ってます!


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