【ペンネーム】こゆり
2007年3月 桐朋女子高等学校卒業
同年4月 早稲田大学文化構想学部入学
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受験の動機 ●
勉強法 ●
年末の挫折 ●
早稲田へ行こう ●
合格発表 ●
最後に
■受験の動機
私は小学生の頃から、ダンサー・振付師になるべく、レッスンに明け暮れる日々を送っていた。勉強の方は? というと、机の前に座るだけで足がむずむずしてきて……授業の復習をするという習慣さえついていなかったのだ! にもかかわらず、漠然と
「国立に行きたい」という憧れを抱いていた……。
高1になり、そんな私に転機が訪れる。それは意外にも国語の教科書だった。鷲田清一さんの身体論。なんて面白いんだろう!! ダンスをやらない人でも、これだけ身体について考えている人がいるんだ!!
こうして私は学問的にも身体にアプローチしていくことを決め、某国立大学と、文系イメージの強かった早稲田を視野に入れ始める。(のちに文構で身体論がやれると判明!)
■勉強法
まずは英・国のみ、予備校に通うことに。毎回あった確認テストは、私にとって恐怖だった。好ましくない点数をとると、先生の厳しいメッセージがくっついて返ってきたからだ……。しかし私はそのおかげで、コンスタントに復習する習慣を身につけることができ、古文などは高1である程度終えていた。文法、特に助動詞の使い方は重要なので、早いうちに一度徹底しておくと、あとあと楽!
高2の終わりで私は早稲田のマニアックな世界史に対応すべく、Z会の教室に入ることに。
早慶クラスは意識の高いひとばかりで、残りの1年間は最高のモチベーションを保てたと思う。ではここで、各教科のアドバイスを。
1)世界史
覚えるしかない。出題頻度の高いものも低いものも、でるときはでる。でないときはでない。だからゴロを使って細かい年号や事項まで徹底して覚え尽くしました。早稲田は普通の受験生が知らないであろうことまで聞いてきます。そこで差がつくんです!
2)英語
国立クラスにいたので……長文読解と部分和訳。長文読解は各段落・全体の趣旨を素早く掴む訓練で、部分和訳は文法を見抜く訓練です。私大のことを考えると遠回りをしているような気がしましたが、根気よく続けたことで、曖昧な読み方をしなくなって英語の実力がつきました。紙辞書は単語帳くらい活用!!
3)現代文
とにかく機械的に構造をつかんで解体していく訓練。小説も評論も。私は問題になりやすい“言い換え部分”などにマークをつけながら解くことを続けました。ラインを引いていく方法は、後で見返すと分かりづらい気がします。
4)古文
復習を徹底しました。講義を受けたら紙辞書!! そして、例文は覚えるくらい読み込む。仕上げはテキストを声に出してスラスラ読めて、かつ、意味がすっと入ってくるようにする作業。目・手・口・耳すべてを駆使して自分を飽きさせない! 印象づける! 私は本番前日までやってました。
■年末の挫折
なんやかんやで遂に迎えた追い込み……。年末……。それはそれは大変な時期だった。私は、某国立大学の一般推薦を受けていたのだ。試験にはダンスの実技があったので、私は毎日朝練をしていた。しかしその努力も実らず、結果は不合格。大泣き! そしてなぜか湧き上がる怒り! 私が落ちるなんて! そう、人間は怒り(恨み?)を持つと強い。それから私は狂ったように勉強をすることとなる。もうダンスには頼れない。勉強で勝負するしかないのだ……。
まずやらなければならなかったのは、現役にとって最大の穴となりやすい、世界史の現代史だった。私はZ会の教室で1日4時間連続の講座をとり、詰め込んだ。これはさすがに眠くなる……。しかしそんな時でも、隣の席のライバルが一生懸命カリカリ何かを書き込んでいるのだ! (あぁここでコイツと差がつくのかもしれない……)。私はそんな危機感をもった……次の瞬間、頭は半分寝ているのだが、自分の手が勝手に動いているのに気がついた! しかもちゃんとアメリカ用の赤ペンとロシア用の青ペンを使い分けている!
この時私は、自分の焦りを身をもって感じたのだった。とにかく、私には時間がなかった。
■早稲田へ行こう
センター試験はいちおう受けたものの、理数でコケる。さすが! 超文系……。憧れの国立。その道が閉ざされた瞬間だった。けれども私は国立にこだわっていたのではなくて、身体論がやりたくて受験をスタートさせたのだ。こんなところで終われない!!
1月末、こうして私は早稲田のパンフレットを初めてじっくり読むこととなった。そしてそこで展開されていた魅力的な新カリキュラムや熱い学校行事の数々が、がけっぷちの受験生を再び、燃えに燃えてる受験生にまで引き戻してくれたのだ。
そうだ早稲田だ! 早稲田へ行こう! 早稲田で文化を構想しちゃおう!
こうして気合い十分で迎えた文構の入試当日。誇りにさえ思っていたZ会の教室のテキスト・ノートを持って試験場へ行くことにした。そしてそれらを机の上に置き、周りを威嚇。「あたし、できるんだから!!」という訳わからない感じで、精神の安定をはかる。もうギリギリのところまできていたらしい。
■合格発表
合否の発表は、本当に聞きたくなかった。年末・年始の挫折感を思うと、急に恐ろしくなってしまったのだ。
私:きっとまた落ちてるし……。電話しない。
母:え〜? 電話するだけしてみなさいよ〜。だめもとってやつよ〜。期待してないから大丈夫よ〜。
母はそうやって平然を装いながらも、実は気が気でなかったらしく、無駄に台所をうろちょろしていた。そして遂に欲望に耐え切れなくなったのか、タイミングを見計らってこんなことを言ってきた。
母:ゆりちゃん電話しないんなら、私がするっ!
私:それはだめ! 今かけるから待ってよ!
こうして私は母に押されるような形で、恐怖の電話に手をかけた……。
学部コード……受験番号……最後に誕生日をプッシュ……。
声:オメデトウゴザイマス。ゴウカク、デス。
私:……?? うそ。受かってる。信じられない! 受かったー!!!!!
こうして私は長〜い受験期を終えたのだった。
■最後に
私の受験はご覧いただいたとおり、はちゃめちゃでした。しかし私が早稲田に受かったのは、こういった回り道をしたことによって得られた私なりの強みをもっていたからだと自負しています。
受験に突入するまではろくに勉強もしなかった私ですが、目標を見つけ、そこへ向かって様々な勉強方法を自ら探り、取り入れていったことで、どんな入試形態にも対応できるようになったのです。実際に私は、中央・明治・学習院など早稲田とは出題形式の異なる大学にも合格しました。合格のキーワードは“自主性”なのだと私は思います。
そしてモチベーションの維持も大切! もし挫折するようなことがあったら、それは勢いを生む良い機会と捉えましょう。私は“怒り”から凄まじい勢いを生み出しましたよ!!
ライバルは全国からやってきます。皆さんはどこで周りとの差をつけようと考えていますか? そこをよく練りながら地道に取り組めば、きっとサクラ咲きますよ! 心から応援しています。
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