不合格体験記 vol.20 |
2007年 東京都私立F高校卒業
■早稲田との出会い オープンキャンパスで、徐々に見えてくる大隈講堂を見たとき、「ここに通う自分」を想像できた。 何がそう感じさせたのかは分からないが、それまでに見た大学の中で一番肌になじんだ。 木々に囲まれた一本道に、大隈重信像、多く置かれているベンチ。「ここで本を読みたい」と憧れた。いきいきしている学生たちがとても自由で楽しそうだった。 バンカラ、在野精神、変人……ひとつひとつに魅了された(今は、バンカラを知らない早大生も多くて非常にびっくりである)。 「早大生になりたい!」ここから、私の早稲田への長い片思いが始まった。 ■高校3年 塾に通っていたが、3年生で辞めるという奇行に走る。あまのじゃく精神から、「塾に頼らんでも受かってやるさ」と心の中でほざいていた。 しかし、集中力のない私は、家だとつい本を読んでしまっていた。判定はDばかり。ならば、もっと勉強しなくてはいけないことはわかっていたのに、中途半端だった。 どうしても早稲田に受かりたいのに、その思いだけで自分の学力の無さから逃げてばかりいた。 単語や文法などをあまりせずに(面倒くさがりだったので……)長文問題ばかりやっていた。基礎を甘くみていたのだ。阿呆である。 焦りから夜遅くまでだらだらしていて、いつも眠かった。自分の勉強量の少なさ、質の薄さが不安でたまらなくて、毎朝吐き気と戦っていた。 とにかく自信がなくて、落ちることが怖かった。 ■受験(現役) 早稲田4学部、明治、立教、法政大学を受験。その中で早稲田だけ、たくさんの現役生が応援にかけつけていた。 アメフトの方々や、リンクス員がポストカードを配ってくれていて、「やっぱり、早稲田は熱い。ここしかない!」と感動した。 しかし、苦手の記述に大苦戦。熟語など基本問題とわかるのに、解けない問題が多くて自分の基礎力の無さを痛感した。 そしてなんと早稲田大学最終受験日に、トイレの洗面台でカバンの中に大量の水が流れ込むという事件が発生する! 不吉な予感……ちなみにびしょ濡れの中身は、ベンチでずらりと並べて乾かした。かなり変な図だったと思う。 ■入試結果 奇跡を願ったが、やはり行きたい所にはすべて落ちる。とにかく、悔しくて情けなかった。このままでは終われない! こんな中途半端なまま大学生になれない。 もう1回挑戦したい。どうしても早稲田に行きたい! こういった流れで、私は浪人生活を決意した。 友達は現役早稲田合格を決め、「Moonには早稲田しか合わないよ! 早稲田で待ってるからね!」と言ってくれた。 ちなみに知り合いに浪人はおらず、みんなに置いていかれる悲しさや孤独はあったが、浪人を許してもらえたことに感謝して、早稲田合格に突き進むしかないと思った。 「応援してくれる友達・家族の気持ちに応えなきゃ、女がすたるっ!」と満開の桜に叫んだことを覚えている。 以下合格体験記に続く…… バックナンバーに戻る |