合格体験記

合格体験記 vol.4

【ペンネーム】バウちゃん

2005年3月 神奈川県立麻溝台高等学校卒業
同年4月 城南予備校町田校私立文系コース入学
2006年4月 早稲田大学社会科学部入学


現役時(合格発表)浪人決定(3月)1学期2学期冬〜直前入試本番・結果(早稲田入試前)早稲田入試直前〜早稲田入試結果終わりに


■現役時(合格発表)

ない……ない……ない!!!! 何度パソコンの更新ボタンをクリックしても、自分の番号はそこにはなかった。最後の望みだった青山学院大学経済学部に不合格。「神様なんていないんだなぁ。専修大学に進学か……」。絶対に現役で大学に行くと決めていた私は、"浪人"という選択肢が頭の中にあるはずもなかった。それに、受験が終わったばかりでもう一年受験勉強をするという気力はゼロ。進学をしようと思っていた矢先、ある人から人生を変えるメールが届く。もしこのメールがなければ、私は早稲田にいない。丁寧な口調で書かれ、決して自分の考えを押し付けようとしないそのメールは、私の心に響くものがあった。

ある人:「まずは合格おめでとう! さて、進学するか浪人するかは難しい問題ですね。浪人は精神的にも経済的にも負担は大きいですが、そのどちらも克服できるなら悪くはないですよ。高校生のときには気づけなかったことに出会えるし、何よりも時間のゆとりがあるので、受験勉強以外のこともできる」
さらに文章はこう続く――
「自分さえしっかりしていれば、どんな大学で学んでも同じ成果が出るというのは真実。それと同時に、その大学でなければ出会えない人たちがいるのも事実。出身大学なんて社会に出れば無関係ですから、あとは自分が母校として誇れるか、あるいは愛することができるかというレベルの問題ですね。よく考えてみてください」

専修大学を母校としてを誇れるのか? 愛することができるのか? そう考えたときに、答えはずっと前から出ていた。
「もう一年頑張ってみようか……」



■浪人決定(3月)

専修大学の入学金振込み締切日。私は振込みをしなかった。もちろん簡単に決意したわけではない。「なんでもっときちんと勉強しなかったんだろう。もう一年間できるのかな?」という不安、「浪人したからって、大学に合格できるとは限らないでしょう」という親の言葉、そして「浪人したら大学に進学する同級生に置いていかれる」という焦りで胸がズキズキした。しかし、勇気を出して先の見えない暗闇に飛び込むしかなかった。もう後戻りは出来ない。こうして私の浪人生活は始まった。第一志望は早稲田! どうせ浪人するならという思いと、早稲田なら母校として誇れそう! そんな単純な動機で決めた。



■1学期

迫りくる不安を払拭しようと、一日平均10〜12時間を英語と国語の勉強に費やした。ただ漠然と勉強するのでは現役時と同じ結果になるので、なぜ落ちたのか? ということを、きちんと分析した。その結果わかった落ちた理由は、勉強の仕方にあった。もっと具体的に言うと、復習の重要性に気づいていなかった。このことに気づいてから、記憶のメカニズムに基づいて復習の計画をきちんと立て、勉強した。
すると偏差値はぐんぐん伸び65を超えた。現役時には考えられない数値に、ますます気合が入る。



■夏

「去年と同じ失敗は2度と犯すものか!」という気合を入れて、夏期講習が始まった。夏は時間があると思って怠けてしまいそうだったので、友達と勉強時間を競争することに。毎日朝8時30分には予備校の自習室に行き、夜の9時になったら一緒に帰るという生活を送る。
勉強内容は1学期の復習を7月中にやり、8月は夏期講習の予習・復習を中心に勉強。予備校のテキストだけでなく、市販の問題集や参考書も活用した。この頃から政経も本格的に勉強開始。政経は元から得意だったこともあり、スムーズに勉強できた。



■2学期

2学期は基礎的な学習から、応用的な学習に移行する時期。予備校のテキストも難易度が高くなりついていくのが大変だったが、何回も繰り返し復習をしてしっかりマスターした。そしてこの頃から赤本や青本が書店に並び始めるので、すぐに早稲田で興味のある学部だった政経・商・社学を購入。12月までは問題を解かずに、問題分析をした。問題分析のやり方は人それぞれあると思うが私の場合は、
時間配分大門数単語レベル問題形式(英語なら記述と記号の比率)・パターン別の問題対策
などをノートに書きとめておいた。その分析に基づいて、自分に足りない部分(例えば語彙力など)を補うという形の勉強スタイルで、早大対策をした。




■冬〜直前

試験まであと少し! という時期で気合を入れなければならないのだが、浪人生の宿命というのだろうか? 冬になると、もうやる気がなくなってしまった。河合塾の早慶オープン模試が予想よりよかったので、完全に浮かれモード。それに1学期から勉強ばかりしていたので飽きてしまい、学習時間が激減。1日中テレビを見ていた日もあった。そして、入試が近づくにつれて守りに入ってしまい「せめてマーチレベルに受かれば上出来!」 と思うように。そのまま入試本番へ……。



■試験本番・結果(早稲田入試前)

【専修大学経営学部】(地区入試)
 →合格!
 地区入試は合格者数が少ないので受かるか不安でしたが、緊張もせずにばっちりでした。

【明治学院大学経済学部】
 →合格!
  毎年、英語がなかなか手ごわいのですが今年は易化していて、ミスができない問題でした。

【法政大学経済学部】
 →合格!
  とうとうマーチレベルの試験に突入。ライバルの受験生も頭が良さそうに見えましたが、周りを気にしないで集中して試験を受けました。

【明治大学政治経済学部政治学科】
 →合格!
  去年の第一志望の明治政経。英語の問題が去年までの傾向と違っていて、焦りました。正直落ちたと思いましたが、国語と政経でカバーできたみたいです。よかった!

【明治大学商学部】(合格発表は早稲田入試後)
 →合格!
  どの教科も易化していて、ミスはできない状況でした。休み時間に騒いでいた受験生が迷惑だったのを鮮明に覚えています。

【中央大学経済学部】(合格発表は早稲田入試後)
 →合格!
  例年通りの出題形式。焦ることなく冷静に解けました。




■早稲田入試直前〜

第一志望だった早稲田の入試までに多くの合格が出てしまうと浮かれてしまって、もう早稲田に対する思いは無いに等しかった。
そもそも早稲田を目指した理由は"どうせ浪人するなら"と、ネームバリューからくる"誇れそうだから"という単純な理由。メールをくれたあの人の言葉は、知らぬ間に頭から消えてしまっていた。「もう明治でいいんじゃね? どうせ早稲田なんて無理だし」と弱気なことばかり考える。一年間必死で勉強はしてきたが、自信がなかった。怖くて、逃げ出したかった。だけど、"何のために浪人したのか?"と心の中で葛藤した。「なんで早稲田が第一志望なの? 何で?」そんな気持ちで、早稲田の入試を迎えた。
入試当日、「どうせ受かるわけないし、リラックスして受けよー」とそんなことを思いながら、正門へと続く道を歩いていた。正門が近づくたびに、なんだか騒がしくなってくる。「やっぱり早稲田は受験生が多いな……受かんねーよ」と思ったとき、
「試験頑張ってください! 早稲田で待ってます!」
そう言われつつもらったのは一枚のポストカードだった。受験生応援をしているサークルが作ったそのポストカードには、熱のこもった応援メッセージが書かれていた。実際に受験を乗り越えた先輩たちが書いた言葉が、心に響かないはずがない。読んだ瞬間、涙がこぼれてきた。
"戦う前から降伏宣言をしている自分の情けなさに対して。そして、応援してくれている人たちを裏切ろうとしていたことに対して"
その瞬間に第一志望が本当に早稲田大学になった。こんな熱い大学は他にはない!! 早稲田が好きだー!! 絶対受かってやる!! この大学なら本当に母校として誇れる。ずっと愛することができる。大隈講堂を見上げつつ、そう思った。



■早稲田入試結果

【早稲田大学政治経済学部】
英語:去年と形式はほぼ同じでした。しかし、苦手な形式だったので自信なし。
国語:難しい。惨敗。
政経:記述で書けない部分もあり、微妙。
"受験番号○○○○の方は…残念ながら不合格です……"
→不合格

【早稲田大学商学部】
英語:例年通り。苦手な長文の正誤判定問題で苦戦。
国語:いつもは現古融合問題が一問でるはずなのに、傾向が変わり単独の古文問題   に。焦って撃沈。         
政経:最後の問題の正誤判定が難しすぎる。微妙。
"受験番号○○○○の方は…残念ながら不合格です……"
→不合格

【早稲田大学社会科学部】
英語:最初の文法の問題が難化。やや焦るがその後冷静さを取り戻しました。
国語:例年通り簡単。しかし"簡単=ミスはできない"ので慎重に解きました。
政経:最後のほうにマニアックな問題が出題され、勘で選ぶ。相変わらず社学の社会は難しいところまで出してくる。
"受験番号○○○○の方は…オメデトウゴザイマス!!ゴウカクデス!!"
  →合格!!!!
  神様はやっぱりいたみたいです。最後まで諦めないでよかった。



■終わりに

私が受験に必要だったモノ
  • 学力
  • 健康な肉体と精神(体調管理は大事です)
  • 友人や親からの応援(応援してくれた人のことを考えれば、やる気も出るはず)
  • 大学に対する熱い気持ち、その大学を愛する気持ち(私のように入試当日にそういう気持ちになっても遅くはないのです)

浪人生活は長く、辛いものでした。大学に進学していればよかったと何度も後悔し、泣いた日もあります。しかしあの「オメデトウゴザイマス!」の言葉を聞いた瞬間にすべてが美化され、辛かった日々も今となっては良い思い出になっています。受験生の皆さんも大きな壁にぶつかり、前に進めないときがあると思います。そのときは無理に進まないで、一度立ち止まってみてください。「何でその大学に行きたいのか?」そのことをとことん考えていくと、前に進めるはずです。また偏差値やネームバリュー、就職率で大学を選んでしまうのは仕方がありません。それも大学を選ぶ上で大切な点です。でも「母校として誇れるのか?」という部分が大学に入ってから大事になってきます。大学に入ってから後悔しないように、そういう部分をきちんと考えてみてください。では春に満開の桜が咲くことを心から願っています。



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