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イベントコラム

学生制作の映画『色の街』試写会レポート

映画「色の街」の完成披露試写会・舞台挨拶が、6月24日に開催された。
監督及び脚本は早稲田大学文化構想学部4年の森平周さん。主演及びプロデューサーは法政大学文学部4年の黒澤優介さん。二人は早大劇団「てあとろ50′」出身。
ヒロインは約150名以上を超えるオーディションから選出された矢崎希菜さん。他にも家出少年の加藤役を演じるのは安慶名晃規さんなど、若手俳優が多数出演している。

また特別出演として早大演劇倶楽部出身の人気俳優、小手伸也さんが出演する。

映画「色の街」は、一人暮らしの平凡な大学生、相田雅が街角の喫煙所で学ラン姿の加藤に出会うシーンから物語が始まる。
咳き込みながらも何故か煙草を吸い続ける加藤は、名古屋から人を探してやってきた家出少年だった。そんな彼の人探しを手伝うことにした相田には加藤を放っておけない理由があった。
追憶される高校時代__。相田は、突然喋らなくなったクラスメイト、増田カナのことを思い出す。

 人に見えている景色はそれぞれ違う。ありのままとはなんだろう__それに向き合い乗り越えようとする大学時代と高校時代の二つの時代を描いた青春ショートムービーである。

『色の街』は、てあとろ50′で学生演劇をしていた黒澤さんと森平さんの二人から立ち上げられた学生映画である。制作資金はクラウドファウンディングによって集められた。制作スタッフが全員学生ということもあり、ハプニングはつきものだったという。

「許可をいただき敢行したアメフラシで、住民の方から怒られてカットがほとんど撮れなかったり、警視庁からNGが出て警察官の衣装が借りられなかったり、ピンマイクやレールが使えないのは当たり前だとしても、カメラの三脚がなくて照明の脚を利用したり。基本押して日は暮れるし、インフルエンザが流行してメイク部は全滅するし、ゲリラ撮影がバレて警備員に追いかけられたり…。」キャストのみなさんは笑いながら撮影の苦労を振り返った。

和やかな雰囲気で進められた舞台挨拶ではいくつかの質問が寄せられた。主題歌「プライベートビーチソング」と挿入歌「フリークストーキョー」の二曲を書き下ろしたシンガーソングライターのMom(マム)さんは、ファンであった森平さんがダメ元でオファーしたら引き受けてくださったとのこと。

また、高校編と大学編で異なるカメラを用いて撮影されたことについては、「テーマが“ありのまま”だったので、高校の頃と大学の今は見えているものが違うのだということを表現したかった」と森平さんは話した。

特別出演をされた小手伸也さんがサプライズゲストとして舞台挨拶に登場した。小手さんは現在NHK連続テレビ小説「なつぞら」やTBS日曜劇場「集団左遷」、そして映画「コンフィデンスマンJP」等にも出演している大人気俳優で、今回のオファーが来たときもとても忙しい時期だったそうだ。「僕自身も早稲田演劇にどっぷり浸かっていた世代だったので、その後輩が何かをすることであれば是非力を貸したくて、二つ返事でオファーを受けました」と、小手さんは話す。

学生映画に参加してみて、「みんなが頑張っていることに関して言えば、いま僕がやっている現場の人たちと同じです。こういう映画を撮りたいとか、もっと照明を当てたいとか音をちゃんと拾いたいとか、志の面では学生の皆さんと一切変わらない。技術とか予算とか色々なものがあるだろうけれど気持ちや熱量の面では自主制作であろうが局制作であろうがなんであろうが、絶対に変わらないことなんだと強く思い、改めて身が清められる思いがしました。」

 長年の役者生活を経た小手さんが「色の街」制作を通して感じたことは、モノを創り出す全ての人に通ずることかもしれない。

 「色の街」は2019年11月に公開される予定だ。

取材・文:宮崎かずき

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