――作家という職業についてから早稲田大学に入学した森さんですが、社会人になってから大学に通おうと思われた理由はなんですか?
高校を卒業して、児童文学の専門学校に二年間通いました。その後すぐシナリオライターとしてデビューし、また二年後に作家としてデビューしたので、二十二、三歳という早い時期からずっとものを書く仕事をしてきたんですね。小説を書くっていうのは自分の中にあるものをどんどん出していく仕事なので、そうしていく内にだんだん、自分が書けば書くほどすり減っていくような気持ちがしてきたんです。特に二十代の後半から、ここで何かを吸収してもっと自分を豊かにしていかなければ作家としてもどこかで行き詰ってしまうんじゃないか、っていう焦りのような思いがどこかにずっとあったんです。カルチャースクールに通ったりはしていたんですけど、「学びたい気持ちがあるんだったら、いっそ大学に一回通ってみたらどうだ」と知人にアドバイスを受けて、それがきっかけで「じゃあちょっと大学頑張って通ってみようかな」って気持ちになりました。
――実際入学されて、学生生活はどうでしたか?
仕事との両立が思っていた以上に大変で、授業に出るだけで精一杯でした。あとは学生食堂を利用したくらいですね。学生食堂は手軽だったのでよく利用しました。さんまの塩焼きと豚汁がおいしかったです。人と触れ合ったり一緒にお茶をしたりもしたかったのですけど、私に限らず二文に通ってる人って仕事があったり忙しい方が多くて、時間がない中でいかに時間をつくるかって自分で自分をマネジメントしているような感じだったので、なかなか。でもそういう雰囲気が好きでした。そんな中でも、メールを交換したりして、卒業後も会ったりお酒を飲んだりする人はできました。
――現役学生の印象はどうでしたか?
やっぱり十何歳も年下なのでかわいいなと思いましたね。学食でご飯食べたりしてると、隣の女の子たちが恋愛の話とかしてるのが聞こえてくるんですよ。誰が好きとかそういう話を聞いて「あぁ、私も若い頃はそうだったな」と思いましたね。それに、ワークショップという授業を夏季集中でとっていたんですけど、みなさん独創的で面白かったですね。