みんなで楽しんだり喧嘩したりしながら、何か一つのことを、なんとなく団結して目指すっていうのは、学生のときにしかできないことです。学校生活っていうもの自体が、なんとなく同じ場所にいて、何かに強制されるわけでもなく、お互いが強制しあうわけでもなく、同じものを見ることができる唯一の季節だと思うんですよ。
会社では給料が発生したり達成したい目標値みたいなものがあって、なかなかそうはいかない局面もあると思うので。でも大学時代の良さって、そのさなかにいると気付かなかったりします。私が百ハイに参加しなかったように。この本が、ぬるーくてたるーい感じもけっこう楽しいんだなぁ、ということを再発見するきかっけになればいいなと思います。
うーん、大学生だからこれを読めっていう小説はないんですよ。読んで面白い時が、その人にとっての読み時ですから。私の場合は、中井英夫さんの『虚無への供物』を大学生の頃に面白いと思いました。「アンチミステリーの傑作」とか「探偵小説の金字塔」とかいろいろ言われているんですけれど、とにかくすごい小説ですね。
いろいろな読み方ができるし、こんなすごい小説があるのかーって驚かされました。 本は広い心で読むといいんじゃないでしょうか。もちろん批評のまなざしを注ぐというのは、何に対しても重要です。
でも基本的に、本っていうのは拒絶したり、身構えて読むのではなく、何がきてもいいぞーという気持ちで読むと、自分なりの楽しさを見つけやすくなるのではないでしょうか。すっごくつまらない小説でも、どっかいいところがあるはずだと思って読む。そうすれば、別にいつの時期に何を読んでも大丈夫なんじゃないかなと思います。
アホなことをやってみちゃうっていう楽しさを実生活でも味わい、同時に本の中でも味わうっていう……できれば本屋さんで買って読んでください(笑)。