――学生のときに、どうやって“自分の本当にやりたいこと”を 見極めたらいいんでしょうか。
学生のうちに本当にやりたい事をみつけるのは、難しいと思います。
ですので、みなさんに伝えたい事は「『縁』を大切にしてください」ということです。
とりあえず自分の目の前で起きていることは、自分の得意分野を伸ばすこととか、本質的に好きなものにつながってくるのだろうと、信じていく。
「たまたま目にはいった会社に入っちゃって、あとは就職活動しません」みたいなのでもいいかもしれない。
それは縁を大切にしたわけなのだから。そういうスタイルの人のほうが伸びる感じがする。
高校時代の話で、僕の通っていた高校に超人気の漢文の先生がいらっしゃいました。
その先生が、1年間の授業が終わったあとに、「お前らに読ませたかった本はこれで、これを読ませるために俺は先生をやってる! 」って、とある一冊の本を紹介したんですね。
それなら読まなきゃって学生はみんな思うわけです。
それで、1週間後に本当に読んだ人っていうと、たぶん5人くらいしかいない。(笑)
でも、それが人生の縮図で。
その時はみんなメモしました。あとで買おうって思って、半分は忘れちゃった。
半分は本屋に行ったけど、マニアックな本だったから、小さな本屋で売っていません。
それで、面倒くさいから今度行こうって思って、また半分になっちゃう。
やっとその本を発見しました、とします。ぱらぱらめくって見てみます。
そうすると、なんかつまんなそうだな、意味分かんない、これはちょっと自分には合わないかもって思って買わない。
それで、5人ぐらいしか最終的に残らない。
でもね、出会った先生が、それも人気の先生がそこまで勧めている本は、読むべきだよね。
もったいないもの。そこの行動力の差が、楽しむ人になるかならないかの差でしょうね。
でも、この話には続きがあるんです。
読んだ5人のうち、2人は記憶に残らない、3人は良かった、心に残ったって思う。
そう思う3人が成功する。
それは、たまたまいいことが書いてあったわけじゃなくって、そういうマインドで読んでいるんだよね。
学生のうちは、自分の小さな判断でつまらなそう、とかって考えないで、いろんなところで素直になって、全部のものごとを吸収していくことが大切。
たとえて言えば、めちゃくちゃつまらなさそうなイベントでも、行った帰りに、あぁ、やっぱり行って良かったなって言うひとが、成功する人です。
あとは、学生のときは本をたくさん読んでください。
本は、その人の心の中で考えたことが凝縮されたものなので、そこをなぞらえていくことに意味があります。
人って一つの道を極めると、そこから得たもので他の道にも生かせることがたくさんあります。
日本一になると、人は、その経験を生かして他の道にも生かせる。
けど、日本一になることと、その経験を他の道に生かすことって別の才能だと思います。
だから、他の道に生かすことのできる才能のある人は、日本一にならなくても、きっと、日本一になった人の本を読んで、生かすことができる。
逆に、いくら日本一になった人でも、それとこれとは別って考え方をする人は、生かせない。
そういう意味では、生かせる才能がある人は、本をたくさん読むと、それだけで経験値が上がるんでしょうね。
本をたくさん読むと、いろんな自分がイメージできるようになるから。