――柳澤さんは、カヤックでどのようなお仕事をなさっているのですか。
WEBのクリエイティブディレクターとして、サイトの設計を考えて、プログラマーや
デザイナーに指示をして、WEBサービスをつくっています。映画でいうと監督さんの
仕事に近いと思います。
どのようなコンテンツにして、いかに面白い仕掛けをつくり、どのデザイナーを
起用しようか、などと考えながらつくります。
簡単に説明するなら、これがクリエイティブディレクションです。
僕にとっては、それは仕事でもあり、遊びでもあり、趣味でもあり、自分の人生の
使命でもあります。
カヤックのキーワードは“24時間遊び、24時間働く”。仕事は楽しむものですから。
――柳澤さんは、そのように仕事を楽しむことを大切にしていらっしゃいますが、 どうすれば仕事は楽しくなるのですか。
楽しいと思うのは、自分自身にしかできないこと、他の人にはない自分の良さを
発揮できたときだと思います。
それを通して、自分も成長するし、その結果、みんなに何か与えて、そして、
逆にみんなから何かをもらって。
その何かというのは、次のアイデアだったり、感謝だったりといろいろあります。
“自分じゃなくても同じことができる”とか、”自分もできるのだけどその技術に
おいて自分より上の人がいる”となるとおそらくそんなに楽しくはならない。
まずは、”自分にしかできないこと”を見つけて、“自分だけのオリジナリティー“
を追求していく。
そうすると、きっと楽しくなってきます。
だから、決して全能じゃなくてもいいんです。人って全部が全部ひとりでできるわけ じゃないから。
それから、いくら自分で「楽しい楽しい」と思っていても、誰ともコミュニケーション
が発生しなかったりすると楽しむ事が難しくなります。
何かやって、「それいいね」とか、「すごいじゃん、ありがとう」って言われて人と
つながった方が楽しさは2倍にも3倍にもなりますよね。
そうやって自分のできることで一番になっていくと、どんどん楽しみが増えていきます。
やっぱり、その人、その人の得意なポジションがあって、自分のできないことをやって
くれる人がいて、それが組み合わさって、初めてチームになって、あぁ一緒にいて
よかったなって思います。
他がてんでダメでも、何かここだけは良いっていうその人にしかできないものがあって、
伸ばしていけるといいですよね。
でも、就職前にそのユニークさを自分の強みとして、あらかじめ捉えることは簡単な
ことではありません。
仕事を通して見つける人がほとんどじゃないでしょうか。