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合格体験記

合格体験記 vol.30

【ペンネーム】ncly


2010年3月埼玉県立熊谷女子高校卒業
2010年4月みすず学苑大宮校
2011年4月早稲田大学人間科学部人間環境学科入学


[高校1〜2年]


 自分ほど、貴重な高校生活を無駄に過ごした人間はいないと思う。まぐれで合格した地元の進学校では、勉強も部活も全てにおいてまったくついていけず、周りとの埋められない差を常に感じていた。部活がうまくいかずに高2の秋に部活を辞めたときから、何に対してもやる気がなくなり、勉強も全くしなくなる。

[現役の受験期]


 部活を辞めてからというもの、3年になっても相変わらず怠惰な生活を送っていた。早稲田への憧れもあったが、本気で目指そうなどとはとても思えず、まあ行けるだろうと思った東洋大学を第一志望にする。夏以降は周りが本気で勉強し始めたため衛星予備校に入り、授業は毎日見て予習復習などは何となくやっていたものの、相変わらず本気で勉強できなかった。「もう手遅れだ」こんな思いがますます勉強に身を入れられなくさせた。
結果は東洋大学も不合格。担任の先生に勧められて受けた昭和女子大学しか受からなかった。

<結果>
センター
  英語 120点
国語 75点(現代文のみ)
世界史55点
東洋大学社会科学部社会心理学科(センター)  ×
昭和女子大学生活学部環境デザイン学科     ×
東洋大学社会科学部社会心理学科(一般)    ×
昭和女子大学生活科学部環境デザイン学科    ○

[浪人して早稲田を目指すことを決意]


  このようなどうしようもない高校生活を終えてみて初めて、変わらなければいけないと本気で思った。親や先生は私が受験期にも勉強していないことを知っていたので、昭和女子に行くことを勧めた。現役時代に頑張れなかった奴が浪人しても頑張れるわけがない、と思うのが普通だろう。しかし、ここで変わらなければ一生変われない気がした。インターネットで合格体験記を片っ端から読み、低い偏差値から早慶に逆転合格した人が意外にもたくさんいることを知り、何を捨ててでも早稲田に合格し自分を変えることを決意。親に土下座して浪人させてもらった。

[浪人時代(夏まで)]


 勉強する習慣のついていない私は、大手よりも少人数で面倒見の良い予備校がいいと思い、いろいろ調べた結果みすず学苑に入る。そして、第一志望を早稲田大学法学部に決め、1から、いや0からの受験勉強を始める。とりあえず勉強の習慣をつけなければいけなかったので、朝は一番に自習室に行き、夜は最後まで残るというルールを決めた。最初はかなりつらかったが、出歩かないように一番奥の狭い席を陣取り、早稲田で買ってきたワセダベアーのぬいぐるみを机に置いて勉強を始めた。集中力を高めるために、各問題や暗記モノごとに制限時間を設けて、ストップウォッチで時間を計りながら勉強した。自分にはもう後がない。絶対早稲田に行って変わるんだという思いが、歯を食いしばってでも自分を勉強に向かわせた。英語は5文型、古文は助動詞の活用と基礎の基礎からのスタートだったが、夏までには当たり前に朝から晩まで勉強できるようになり、基礎もある程度固まった。40台だった偏差値は60を超えた。まだ早稲法と社学はE判定で人科がやっとDになったくらいだったが、模試でEしかアルファベットを見たことがなかったのでうれしかった。


[夏]


 夏は受験生の天王山と呼ばれるが、私はいつもと変わらず朝から晩まで自習室にこもって勉強した。授業のペースも春から比べるとだいぶきつくなり、単語テストの前日に徹夜をすることもしばしばだった。思うように勉強量がこなせずにやる気がなくなったりもしたが、そんな時は浪人友達が背中を叩いて喝を入れてくれた。今思えばいい浪人仲間がいたからこそモチベーションを維持できたのだと思う。本当に感謝。(これは本当に言っておきたいのだが、予備校生にとって浪人仲間はまさに合否の境目。くれぐれも階段でしゃべってばかりいる連中とはつるまないように!)
 そして夏の終わりにはみすず学苑名物夏の英語合宿があった。5日間英語長文だけを80題ぶっ通しで読み続け、おまけに一日150個ずつの熟語テストが付くというまさに怒涛の合宿に参加した。先生に勧められ早慶コースに行ったので、自分よりレベルが高い人たちばかりでかなりつらく、夜はこそこそ泣いたりもした。それでもいつもと同じように朝の自習も一番に行き、夜の自習も最後まで残った。おかげで長文を読み解く力と精神力は大いについたが、同時に早稲法がどれほどハイレベルなのかを知ったときでもあった。

[秋以降]


 ここまで読むと私の浪人生活は順調だったように思えるかもしれないが、本当の戦いはここからだった。今まで以上に勉強しているのに模試の成績が上がらなくなり、苦手な英語はなかなか読めるようにならなかった。早稲法は相変わらずE判定。9月の中旬くらいから始めた赤本は、早稲田はおろかマーチですらろくに解けなかった。そして、10月に初めてフルで挑んだ早稲法の英語は、制限時間の90分を過ぎても最初の大問すら全く解けなかった。もう寒さが身にしみてくる季節なのに早稲法は少しも見えてこない。面談の時に先生に「なんで私が早稲法を目指すことを止めてくれなかったんだ」と逆ギレさえした。最低だった。でも先生は淡々と課題を出し続け、有無を言わさず勉強に向かわせた。雲を掴むような勉強は本当につらかったが「入試最後の日まで、毎日朝2時間勉強してから自習室に来て最後まで勉強し、早稲田に合格することを誓います」と書いた血判(実際血ではなく朱肉だが)付きの紙を受付の壁に貼ってもらい、もう一度気を入れなおしセンターまで必死で机に向かった。息抜きといえば、夕方友達と予備校近くのスーパーにジュースを買いに行くのが本当に楽しみだった。

[センター本番〜一般試験]


1月のセンター試験の時にはまだ全然勉強が仕上がっていない気がして、不安と半ば諦めのなかで本番を迎えてしまった。
センター試験
英語157点
国語110点(現古)
世界史95点

東洋大学法学部  合格
法政大学法学部  不合格

 準備が万全でなかったセンターは失敗に終わった。最低でも8割、できれば9割と思っていた英語は8割すら取れないという大惨事。センター利用入試で法政に受からないと早稲田は厳しいと言われていたが、落ち込んでいる時間はない。センターが終わってから一般が始まるまでの2週間は驚くほど冷静にかつ着実に勉強できた。この2週間が合否を決めたと確信している。英文も今まで伸び悩んでいた分が一気に読めるようになった。

[一般入試本番]


 日大、立教、明治と受験を終えたあと、いよいよ第一志望の早稲法の試験だった。早稲田は法学部の他に、都市環境に興味があったので社学と人科を受験。結局最後まで早稲法の英語はちゃんと解けるようにはならず、奇跡を信じるような気持ちで会場に向かった。会場には、明らかに東大の併願に受けに来ているような人たちもたくさんいた。かなり焦ったが、席について周りを見渡し、そして自分のボロボロになった単語帳と何度もページがとれてセロテープでベタベタになった世界史の用語集に目を落としたときにふと思った。「私は確かにここにいる人たちより頭は悪いだろうが、この1年の努力はきっと負けてない」

<結果>

日本大学法学部  ○
立教大学法学部法律学科  ×
立教の発表は早稲田の社学の前々日であり、このときの絶望具合は思い出しただけでも本当につらい。結局私は次の日の明治の発表も見られなかったため、入試最終日まで暫定日大であった。
早稲田大学法学部  ×
この日は社学の試験と同じ日で受験最後の日でもあった。当然の結果と言えば当然である。いい夢をありがとうと言い、ワセダベアーをゴミ箱に葬る。
明治大学法学部   ○
早稲田大学人間科学部 ◎
結果を聞きたくなくてウダウダしていたら、父親が勝手に家の電話をスピーカーモードにしてかける。「おめでとうございます」静まりかえった家に響く無機質な音。泣き崩れる母親。不思議と涙は出なかったが自分は変われたんだと実感した。(ちなみにワセダベアーは母親がゴミ箱からこっそり回収しておいてくれていた!)
早稲田大学社会科学部 ×
こうして第一志望の早稲法には手が届かなかったものの、夢にまで見た早稲田が現実になった。

[推奨テキスト]


詳細に関しては掲示板で発言しております。是非ご覧ください。

英語:ターゲット1900、ターゲット1900、ネクステージ、やっておきたい英語長文300、500、700、Z会英文解釈トレーニング、Z会語彙・文法トレーニング他予備校配布の問題集多数
単語熟語は入試本番まで毎日暗記し続けるのがよい。1日何個とかよりも1週間に200個みたいな感じで、ある程度のボリュームを繰り返し見て覚えるやり方で覚えるのがおすすめ。ネクステージは7周やった。とにかくどの問題集も3回は繰り返そう。
国語:河合の古典文法トレーニング、漢文トレーニング、MARCHの古文、Z会の古文上達、河合のマーク問題集他予備校配布の古典単語集、古典文法集、漢字集、漢文法集を使用
現代文は基本的に問題集を使わず授業のテキストと早い時期から赤本の問題で毎日最低1題ずつやった。古文の単語、文法も英単語と同じように毎日繰り返しやるとよい。
世界史:授業のプリントを中心に山川の用語集、1問1答、文化史問題集、センター30日完成、論述問題集、Z会の世界史100題
早稲田の社会はとても細かいところまで出るので知らない用語が出てきたら必ず用語集でチェック。文化史も大きな得点源になるのでしっかりやるとよい。世界史100題は☆マークや解説の青抜きの用語までしっかり暗記しよう。意外と出る。

[最後に]


 つたない文章をここまで読んでくれてありがとうございます。私の場合実質浪人からのスタートだったので参考になったかわかりませんが、もし高校時代の私のように自分に諦めかけている人がこれを読んで、自分にもできるかもしれないと思ってくれたら幸いです。ひたすら机にかじりつくだけの毎日はしんどいですが、今まで本気で何かをやったことがなかった私にとっては、全力で生きていることを実感する充実した日々でした。また、雲の上のような早稲法を最後まで狙い続けたことも、やりたいこと重視で早稲田を3学部しか受けなかったことも受験中は悩みましたが、今となっては後悔していません。目標は高すぎるくらいがちょうどいいと思います。日々の勉強に妥協しなくなるからです。今の自分となりたい自分の差はどうやったら埋められるのか、自分と真剣に向き合い恐れずに全力で早稲田にぶつかってきてください。




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