vol.34 作りたいもので、生きていく

2017年10月28日

パレット

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「目に視える音」出演者インタビュー第2弾はデジタルアーティスト山地康太さん。近年はミュージックビデオ制作にも携わりDOTAMA「音楽ワルキューレ2」の監督や安室奈美恵のリリックビデオの製作をするなど、気鋭の映像作家としても知られている。
わずか20代で幅広い活動をしている山地さんに、作品にかける想いと、デジタルアートの未来についてお話を伺った。


山地康太
気鋭のデジタルアーティストであり、大学在学中より映像の制作も行う。これまでDOTAMAの「音楽ワルキューレ2」や安室奈美恵「Anything」などのミュージックビデオなどに携わる。またDOTAMAのライヴをはじめてとしてVJの活動も行なっている。

――芸術の道に進もうと思ったきっかけはあるのでしょうか。

昔から絵を描くのが好きで、漫画を読んだりアニメを観たりよくしていました。あのころは「週刊少年ジャンプ」で「NARUTO」とか「BLEACH」がまだ連載していたんですね。小学生のころは家で漫画を模写したりして遊んでいました。けど美大に行こうとは思ってなくて。だから最初は理系の大学行こうと思って勉強をしてたんです。それがある日、細田守監督の「時をかける少女」のアニメ観て。それで、なんとなくなんですが「なにかを作る仕事をしたいな」と思い始めたました。そのあとも、あのアニメがすごい好きすぎて高校生の夏に十回観たんです(笑) それで「美大に行こうかな」という気持ちが強くなって美大を受験しました。でも結局アニメ作る仕事は別にしてないから、きっかけでしかないんですが。美大で勉強するうちにいろんな芸術に興味が湧いてきたんです。だからある意味、芸術に目覚めたの美大に入ったからなんですよね。

――美大に入ってからはどのようなことを学ばれていたのでしょうか。

僕は多摩美術大学のグラフィックデザインを学ぶ学部に入ったんです。グラフィックデザインというと、普通は広告とかポスターとかをデザインしたり、ブランディングについて学んだりとかするんですね。けど僕はあまりそういうことに興味が湧かずに、CGを勉強して映像を作ったりとかして、興味のあることをいっぱいやってましたね。入った当初はアニメを作ろうと思っていたんですが、いざやってみるとちょっと大変だなと思って(笑)だからCGで一つの作品を作ることに没頭していましたね。
僕が大学生のころは「モーショングラフィックス」というものが流行っていたんです。これはCGで作ったグラフィックが、音とかに合わせてかっこよく動くみたいなものなんですよ。特に意味はないけど、なにかかっこいいものを作るということをしていたんです。最近はあまりやってないんですけど、当時の感覚はミュージックビデオを作るときに生かされている気がしますね。ミュージックビデオも別にストーリーがないものもありますし。音に合わせて動いてるものを作って、その映像をかっこよくしたいなという感覚はずっとあるのかもしれないですね。

――そこから初めてミュージックビデオを作られたのはいつごろなのでしょうか。

大学四年生の終わりになんか知り合いに呼び出されて「ミュージックビデオを丸々一本作ってくれ」と言われたんです。CGを使ったクリエイティブの仕事は学生時代からやっていたので引き受けてしまったのですが、ノウハウも知識もなかったですし、かなり大変でした。最初にいきなりスタジオみたいなところ行って「監督!」とか言われたときは、思わず吹き出してしまうくらいでした(笑) まあ、いい思い出かなとは思います。そこから大学卒業して次の夏には「音楽ワルキューレ2」を監督させていただきましたし、CGだけじゃなくて実写映像を取るお仕事の依頼も年に何回か受けるようになりましたね。

――デジタルアーティストとしての活動も同時に始めていたと。

厳密に言うとデジタルアートの仕事を始めたほうが先だったんですよ。大学時代から細々とした作品制作をして発表してたんです。それを見た人たちから、こういうものを作って欲しいという依頼が届き始めたんですね。だから完全に学生時代からの個人の活動の延長線上に、職業としてのデジタルアーティストになっていたという感じです。だけどピンポイントにCG作品を作りたいとか、ミュージックビデオがやりたいというこだわりはなくて、ただ自分の作品を作ってくことが好きだったんですよね。

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