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1878(明治11)年創業。北区にある、東京23区内で唯一の酒蔵。埼玉県にある酒蔵の次男である小山新七氏が発見した、酒造に適した湧水を利用して江戸の地酒を造り続けている。代表銘柄は「丸眞正宗」。早稲田大学第13代総長の小山宙丸氏の実家でもある。
23区内唯一の酒造
小山酒造
Koyama shuzo
どんな食べ物や飲み物も、製造過程や携わる人の想いを知ると、よりおいしく感じることに間違いありません。今回は近年では男女問わず飲む人も増えているという日本酒に注目し、こだわりや想いに迫ります。取材に伺ったのは東京23区で唯一残る酒蔵、小山酒造の常務取締役である小山久理さん。目まぐるしく発展する大都市に位置しながら、いかにしてこの酒蔵を守り抜き、日本酒を造ってきたのか。また、若者にこそ日本酒のおいしさを知ってもらうための、思いや苦労などをお訊きしました。いつもはビールやサワーばかりを飲む人も、これを読めば日本酒が飲みたくなるかもしれません。
──都心に残ってきたことに対する想いや、残していく上での苦労はなんでしたか?
「23区内でも比較的郊外に位置するので関東大震災や戦火に見舞われても生き残ってきました。運が良かったとも言えるかもしれません。一方で、地価が高い都心で製造業を行うのはリスクの高いことです。長く続けることを考えると、コストの低い郊外や海外に製造部門を持っていくことを考えますが、日本酒の場合はその土地の湧き水を使って造るのでそれは不可能。じゃあどうして都内で酒造りをやっているのかというと、先祖代々続けて来た家業だから、と社長は言います。23区内に酒蔵を残したいという思いでしょうね」
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