第1志望に合格できなかった、 あるいはどの大学にも合格することができなかった場合、浪人をするという選択があります。そして、浪人をする場合、多くの人が 第1志望に合格するために予備校に入って1年間受験勉強に取り組みます。
しかし、予備校はたくさんあってどのようにして決めたらいいのかわからないという人もいると思います。そこで今回は、予備校を選ぶ際のポイントについてお伝えします。
■そもそも予備校って何?
現役生の時に受験で思うような結果が出なかった場合に、各科目で目標の大学に沿った指導をする場所です。浪人生にとっては、多くの時間を過ごすことになるので生活の場になるとも言えます。
予備校の1年間のスケジュールとしては、まず初めに1月から2月にかけて新規の受講生の募集が開始されます。早期申し込みによる割引がある場合もあるのでできるだけの早めに申し込んだ方がお得ですが、予備校は入学の締め切りのないところが多いので予備校に入る選択が遅くなったとしても問題はありません。
4月から7月、9月から12月にかけて通常の授業が行われ、自分が選ぶ科目や単元によって曜日で登下校する時間がバラバラで画一的ではない時間割で、大学の時間割に似ています。
8月や12月から1月には夏期講習や冬期講習が行われ、特定のテーマや単元を中心にした授業やセンター試験直前ではセンター試験対策の授業も行われます。2月以降は通常の授業はなく、予備校の講師が解答作成や休暇に入る場合があるので自分で直前期は勉強を進める必要が出てきます。
■予備校の選び方
○ 住んでいる場所を基準にして選ぶ
住んでいる場所から近いかどうかということも非常に重要な基準です。予備校の場所が自宅からあまりにも遠い場合、勉強時間を確保することも難しく、ストレスになることもあります。できるだけ自宅から近い予備校が理想的です。家から30分から1時間ぐらいの距離を目安として予備校を探しましょう。
地方に住んでいる場合、予備校がないというケースも考えられます。もし、予備校を使って浪人することを考えているのであれば予備校の多くは寮があるので、寮に入って1年間生活をするという選択も可能です。この場合、費用も多くかかることがあるので家庭でしっかりと相談して決める必要があります。
○ 対策したい科目に強い予備校を選ぶ
人それぞれで得意科目や苦手科目は当然ですが異なります。自分の対策したい科目を考えてその科目に強い予備校を選ぶことは大切です。
例えば、現役生の時に英語に苦手意識があって英語を対策したいにもかかわらず、英語の指導の評判があまりよくない予備校を選ぶのは非常にもったいないです。
ですから各予備校の資料や、インターネットでの評判を見て科目別に、場合によっては単元別で自分が行くべき予備校を決めるのも予備校を選ぶときの良い基準になります。
○ 授業形式を基準にして選ぶ
予備校では、集団授業、個別授業、映像授業があります。集団授業は高校の授業のように同じ授業をクラス単位で受ける形式です。多くの予備校は集団授業である場合が多いです。問題をあらかじめ予習して、予備校の講師が問題を解説する形式やテキストに沿って説明をするという形式の授業がほとんどです。このような授業はかなり進度が速いためやる気をもってやる必要があります。
個別授業は自分のペースで分からないことがあればすぐに講師に聞くことができるので、苦手な内容が多くて集団でついていけるか不安だという場合はおすすめです。
映像授業の特徴としては、周りの人を気にすることなく勉強ができ、さらに何度も視聴することができるので繰り返し復習することができるということが強みです。
このようにそれぞれの形式で特徴があるので自分に合った学習スタイルを選ぶことも良いと思います。
○ フォロー体制を比較する
各予備校では、予備校講師だけでなくチューターと呼ばれる指導員がいて、志望大学を決め、 学習計画の設計の補助や合格するための勉強法をアドバイスしてくれたり、悩みがあれば相談することができます。大学生がアルバイトで行っている予備校も多いです。
気軽に質問や相談ができるかどうかということを確認することも重要です。浪人生は1年間という長い時間を再び受験勉強に充てなければならず、どうしても精神的に苦しくなることもあります。そのような場合に相談できる人が予備校にもいればとても心強いと思います。
モチベーションの維持や学習計画の設計において非常に力強い存在なので予備校を選ぶ際にフォロー体制がしっかりしているかどうかも大切です。
■予備校に行かないという選択肢も・・・
浪人をしようと思っているけれど、経済的に予備校には通えない、あるいは予備校で授業を受けるよりも参考書などを使って自分で勉強をしたいという方は自宅浪人(宅浪)という選択肢もあります。
宅浪は確かに予備校にお金を支払う必要がなく、自分のペースで好きな科目を好きな時間勉強できるので金銭面でも学習面でも強みがあるように思われますがいくらか注意点があります。
○ モチベーションが保てない
宅浪の場合、自分だけの環境で勉強をするためどうしてもやる気が出ないということがあります。予備校に通っている場合では、友人とともに時には競って勉強できますが宅浪では周りの人がいないのでモチベーションの維持はとても難しいと言えます。
また、基本的に家にずっといるということが多いため、他人とのコミュニケーションが減り、メンタル面であまりよくないかもしれません。
○ 生活習慣が乱れやすい
予備校に行く場合、だいたい平日は毎日授業があるので規則正しく早寝早起きをして勉強を始めることができますが、宅浪の場合、ついつい夜更かしをしてしまったり、遅くまで寝て勉強をやらないということもありえるので生活習慣には注意が必要です。
○わからないことを解決しにくい
宅浪をする場合、基本的には自分1人で参考書や過去問を解くことが主な勉強になると思います。このとき、わからない部分があったとしてもすぐに誰かに質問することができず疑問が解決するのに時間がかかります。
基本がしっかりと抑えられているのであればたくさんの問題をこなすことができて予備校で授業を受けるよりも効率が良いかもしれませんが、基礎的なことができていないと分からないことだらけで勉強もなかなか進まないので効率があまりよくない勉強になりかねません。
宅浪をする場合は、生活面に注意して、 予備校に行く場合よりも 自分を甘やかすことなく勉強し続けることのできるメンタルが必要になるので安易に宅浪を決めるのではなく、予備校に行くべきかをしっかり考えたうえで決めることを勧めます。
■浪人することを決めた人たちへ
志望大学に合格できず、浪人することを決めた人の中には、「もう1年勉強すれば合格も余裕だろう」と考えている人もいるのではないでしょうか。しかし、浪人するということはきっと想像しているよりもはるかにつらく、成功が保証されているわけではありません。
第一志望に合格するために浪人をすることを決めたのであれば甘い考えをすることをやめて1日1日を大切に日々学習し続ける姿勢を忘れないようにしましょう。
そして、時につらい気持ちになったときは浪人をするという選択を応援してくれる家族や友人がいるということを思い出せばきっと乗り越えることができるはずです。1年後に志望校合格を勝ち取れることを願っています!