vol.23 女だから、じゃない!——バンドと歩んだ10年 ツイート

2015年8月31日

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今年でデビュー10周年を迎えるチャットモンチー。地元・徳島の高校で出会った二人は、女性ならではの曲を歌い続けてきた。そんな彼女たちは、「女として」バンドをどのように考えてきたのだろうか。学生時代を含むデビュー以前を起点に尋ねてみた。しかしそこに見えてきたのは、当時から女であることにこだわらないほとんど一貫した姿勢であった。彼女たちの赤裸々な言葉は、将来を考える女子学生にも何らかのヒントを与えてくれるはずだ。


チャットモンチー
2000年橋本絵莉子を中心に徳島にて結成。2004年、橋本(Gt,Vo)、福岡晃子(Ba,Cho)、高橋久美子(Dr,Cho)の3人でメジャーデビューする。2011年より橋本と福岡の2ピース体制となり、楽曲ごとに担当楽器を柔軟に変えたアルバム『変身』をリリースした。2013年に橋本の結婚・妊娠発表。2015年には、恒岡章(Dr / Hi-STANDARD、CUBISMO GRAFICO FIVE)・下村亮介(Key, G / the chef cooks me)の男性サポートを迎えた4人体制「男陣」と、世武裕子(Pf,Synth)・北野愛子(Dr / DQS, nelca / ex.your gold, my pink)の女性サポートを迎えた4人体制「乙女団」でレコーディングされたアルバム『共鳴』をリリースした。10月より始まるツアー「秋のワンマン公演 男女6人6ヶ所巡り」を発表しており、また11月には「チャットモンチーのすごい10周年 in 日本武道館!!!!」で7年ぶりの武道館公演を予定している。



——まずは学生時代のお二人について伺います。もともと橋本さんを中心として活動していたチャットモンチーに、福岡さんが高校卒業直前で加入したということですが、お二人のモチベーションの違いはありましたか? また、出会いはどのようなものでしたか?


(橋本)モチベーションの違いは全く感じなかったです。むしろあっこちゃん(福岡さん)の方が勢いがあったくらいです。もともとあっこちゃんはチャットのライブによく来てくれていて、そのことで彼女を知りました。


(福岡)私たちは同じ学年でしたが、クラスが一緒になったことはなかったんです。チャットモンチーではないバンドを文化祭で組むことになって、そのとき初めてちゃんと話をしたね。私はチャットに入る前からこのバンドが無名なのはおかしいと思っていて、友達を誘ってライブに行くことで宣伝をしていました。だから自分が入るとなると、そりゃあもっとがんばります。更にチャットが広まるにはどうしたら良いかを考えていました。



——お二人の出会いと関係は、バンドありきのものだったのですね。学生時代戻れるならやりたいことはありますか?


(橋本)私、もうちょっと勉強したい。音楽以外のことにも興味を持とうとすればよかったなって思います。もう少しちゃんと授業を聞いておけばよかったですね。高校のときは、授業よりも放課後のバンドのことや、友達とやっていたオーケストラ部の活動のことばかり考えていました。



——以前福岡さんは「自分はチャットで男っぽい立ち位置」と話されていたこともありましたが、それはお二人の関係にも言えることですか?


(福岡)私はもともと男っぽい性格なんです。好きなものも少年っぽい。昔から体を動かすのが好きだし、少年漫画ばっかり読んでいるし。今は『ドラゴンボール超』がめっちゃ見たいなあ(笑)! でも「漢(オトコ)」の方は、絶対えっちゃんなんで。


(橋本)はははっ! そうなんか。


(福岡)うん、えっちゃんはサムライ型ですね。高校のときからずっと変わらず、一度決めたことは曲げない頑固者です。変わらなすぎてすごいなとも思うんですけど……。


(橋本)でも、私は少女漫画が好きですね。『姫ちゃんのりぼん』が大好きでした。



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