昨年11月7日、早稲田リンクス主催「講義 解体と構築~音楽の生まれる瞬間~」に講師として登壇した杉山勝彦氏。講義では、彼がどのように「天才」と呼ばれるに至ったのかを聞くことができた。その経緯は、彼のひたむきな努力や、物怖じしない行動の数々の積み重ねだった。今回は、講義では聞けなかったこと、彼の考える「天才」や「夢」について、改めてお話を伺った。
杉山勝彦
作詞家、作曲家、編曲家、プロデューサー、ミュージシャン。これまでに嵐、AKB48、乃木坂46、私立恵比寿中学、中島美嘉などに楽曲を提供している。上田和寛氏とのユニット・USAGIではギター兼コーラスとしても活動中。
――イベントを終えてみて、いかがでしたか。
すごく楽しかったです。学生向けで、あんなに大掛かりな講演はやったことがなかったので、「こういうところに関心があるのか」と、新鮮でした。それに、一つのことに集中している時間は大切だけど、一日中曲作りをしているとマンネリ化してしまうんですよね。だから講演をやることで、頭のなかを整理整頓できて、とても有意義でした。
講演のあと、ツイッタ―のダイレクトメッセージなどでいろいろな人から反響をもらいました。なかには「自分も作曲家を目指そうと思います」という、趣旨を間違って理解しているんじゃないかと、心配になるような言葉が返ってきたこともありましたけど(笑)。特に音楽仲間から面白かったと言ってもらえて嬉しかったです。
――なぜ講義で「天才」というテーマを取りあげたのですか。
キャッチ―で何となく引きがいいなと思ったのと、早稲田大学のOBとして、学生の背中を少しでも押せるような話にしたかったんです。世の中で「天才」と呼ばれている人たちを身近に感じることで、自分にも可能性があるなと思ってもらえたらいいなと。僕も学生の頃は音楽でやっていけるのかすごく不安だったし、みんなもこの先、どうやって生きていくべきか迷ったりすると思います。だから、学生の頃の自分が聞きたかった話をしたつもりです。
【次ページへ】「可能性を感じてもらえる」ということが、情熱を継続させる原動力になる。