「セックスの話をしよう」そんなことを真昼間に言ったら笑われる。いつだって、性の話はお調子者の男子が飲み会で口にするくらいのもので、女子同士で語り合っている姿などは想像し難いかもしれない。でも、生きていくなかで性は避けられないテーマである。今回は、自らのアダルトビデオ出演経験を活かしてセミナーを開催している香西咲さん、アダルトグッズ広報に携わっている株式会社TENGAの工藤まおりさんに、性をめぐる問題についてお話しいただいた。さあ、理性的なセックスの話をしよう。
香西咲（こうざい・さき 右）
現役AV女優。元レースクイーン。性風俗産業の仕事を通じて学んだことを発信し、人の役に立つことを目標としている。Twitterでの女性専用のアカウント（＠kouzaisaki_fm）の開設や、女子会の主催、大阪梅田にある関西最大級のアダルトショップ【LOVE TOYS SHOP MAX】６階女性専用フロアのプロデュースを手がけ、自らもアダルトグッズを制作している。最近では、AV出演強要を根絶するため、『週刊文春』（文藝春秋）などのメディアに出演。
Twitter：@kouzaisaki
工藤まおり（くどう・まおり 左）
株式会社TENGA広報宣伝部所属。男性向けアイテムTENGAや、「女性らしくを、新しく」をコンセプトとして展開している女性向けアイテムirohaの広報宣伝、プロモーション、ブログ（http://blog.iroha-tenga.com/）やSNSを担当。2016年4月から『お店で「いろはのせのせ」にチャレンジしよう！irohaminiプレゼントキャンぺーン』を手掛け、現在キャンペーン実施中。（http://iroha-tenga.com/campaign/iroha3rd_irohanosenose/）
Twitter：＠maori212
――もともとお二人はお知り合いということですが、どのように知り合われたのですか。
香西：女性限定イベント「まっくす女子専門学校」で共演させていただいたのがきっかけです。アダルトショップを女性にもっと身近に感じてもらうために買取りまっくすさんと一緒にイベントを開いたんですよ。
工藤：日本にある一般的なアダルトショップって、すごく入りにくいじゃないですか。卑猥な形をしたバイブやローターもあって、カップルや女性が入りにくい雰囲気だと思うんです(笑) TENGAはそうではなく、ポップで明るい、女性も入りやすいショップを目指しています。
香西：TENGA SHOPは、もう全面TENGAカラー！ って感じです。irohaのPVも流れているんですけど、アダルトグッズのPVなのにオシャレで可愛くてびっくりしましたよ。TENGAさんは突っ込んでいきますよね。画期的で、みんながハッとするようなところを開拓しています。
――ギリギリなところを攻めているということですね。その際、仕事の進め方として気をつけていることはありますか。
香西：私は今、自分のできることとして女子会をしています。その女子会では、AVで得た知識や楽しみ方を教えているんです。ジェンダー問題を絡めると急に難しい話になってしまうので、小さいことから始めようという思いで進めています。
そして昨年の秋から温めていた女性専門グッズ店への第一歩として走り始めたのが【LOVE TOYS SHOP MAX】６階の女性専用フロアのプロデュースです！ 性の知識はもちろんのこと、いつでも何でも相談しに来られる『駆け込み寺』的な感じで使っていただきたいです！
工藤：私がirohaのプロモーションとして意識していることは、「みんなセルフプレジャーしよう！するべきだ！」って押し付けることはせずに、「セルフプレジャーすることも自然。しなくても自然。」くらいの温度で、みんながセルフプレジャーを好きなように楽しめるような雰囲気にすることです。
――女性がこの業界に関わることは珍しいと思いますが、どのようにお考えですか。
工藤：偏見が多いので、落ち込むこともあるけど、やりがいがあります。今ようやく女性の性の市場が拡大されつつあるので、この先女性向けアダルト市場に関しては、女性の割合の方が多いくらいになって欲しいですね。AVメーカーさんも、女性社員が多いと女優さんへの気遣いや、女性向け商品も強化できますよね。
香西：私も、BLなど女子の性的欲求を掻き立てるトリガーが色々あると感じているので、女子が楽しめるコンテンツがもっと増えていけばいいなと思います。
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