――川島さんのこれまでの経歴を教えてください。
小さい頃にはプログラミングを学んでいてね。高校では雑誌を作るのに熱中していました。
それから大学は、早稲田の第一文学部に入学しました。大学2年のときからちょうどインターネットが広まり、ITと組み合わせて色々なにかできないかなと思ってね。
そのCD-ROMは『A/D』っていうんだ。当時、早稲田祭がなくなって、入ってくる新入生が全く早稲田祭とはどういうものか見たことがない状況で、いつまで中止かわからない。さらに文化系のサークルも活動場所や披露する場に困っていてね。それを「なんとかしよう!」ということで作ったものが『A/D』ってわけだ。コンテンツは、絵画や写真、バンド演奏、演劇、映画、アニメーションまで、100以上のサークルやグループの数百点に登る作品。『A/D』製作メンバーはメインで10人ぐらい。トータルでは100人ぐらい巻き込んでやったかな。
『A/D』が評価をされて、仕事がたくさん来るようになって。製作費を取り戻すためにも、そうした仕事をやっているうちに、3年になるかならないかぐらいで大学を中退してひとりだちしました。そんな中で、大学生と社会人の真ん中あたりで僕はずっと仕事をやっていた時期があってね。
それからしばらくしてアメリカを見に行きたいと思って、行っちゃうんですよね。アメリカに行ったあとしばらく3か月ぐらいサンフランシスコにいて、そのあとロサンゼルスに行き、そこで自分で仕事を始めて、1年後ぐらいに僕が勤めていたデザインプロダクションにうまいこと入って、結局7年半のアメリカ生活を経て、2007年の8月にグーグルに入社したんだ。